情報収集をAIで変革する
ストックマークは、2016年設立の自然言語処理技術とAIを掛け合わせたソリューションを提供するスタートアップだ。2021年11月には「すごいベンチャー100」に選出され、東北大学との共同研究を開始するなど、急速に知名度を上げつつある。キーテクノロジーとしては、「自然言語処理」「クローリング技術」「ビジネスアルゴリズム」「アプリケーション技術」の4つを擁している。このうち、最初に情報収集を効率化する上で有用な「自然言語処理」について紹介した。
ストックマークの自然言語処理技術を活かし、これまで様々な取り組みが行われてきた。たとえば、ニュース記事から企業名、人名、キーワードなどを抽出し、さらには記事を分類して、同社のデータベースに蓄積していく。その数は1日に3万件、2022年中には1億件を超える予定だという。その中から、「生分解性プラスチック領域のプレイヤー一覧を出して」「関連するニュース記事を出して」といった要求に対して、すぐに答えを出すことができるというわけだ。さらに、キーワードに関する企業名や技術的な課題、将来の動向、事例など様々な情報が連なっている。それらを抽出し、キーワードに紐付いて様々な情報がさらに連なり、体系化された「知識グラフ」が形成される。
緒嶋氏は、ストックマークの強みとして「意味や概念、フレーズを知識グラフとすることができること」を挙げる。通常の知識グラフは固有名詞が中心だが、ストックマークの場合、つながり合う情報の関係性も体系化して可視化することが可能となっている。たとえば、ある企業名に対して解決策としての技術が紐付いている場合、「それが何を解決するのか」「どのような解決策につながるのか」まで知識グラフの中に表示されるというわけだ。
それでは具体的にストックマークの技術、プロダクトがどのように企業の情報収集・活用に役立ち、事業創出へとつながるのか。具体的な技術について紹介がなされた。