パナソニックは、自動車セキュリティ分野における業界各社の技術力と特許力を評価するために、特許調査のパテント・リザルト(以下、パテントリザルト)に調査を依頼し、その結果を発表した。
パテントリザルトは、第三者として検索式を作成し、日本特許1,528件、米国特許3,511件、欧州特許1,141件を抽出、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて「パテントスコア」の評価を行った。
個々の特許注目度を点数化したパテントスコアをベースに、特許の質と量から総合的に評価した日米欧の「権利者スコアマップ」を、図2~図4に示す。この結果から、パナソニックの特許は、総合的な強さ(図中の縦軸)で、日米欧で他社を圧倒していることがわかる。また、有効特許件数(図中の円の大きさ)においても、日本、欧州で1位、米国でも2位となっており、特許の質と量の両方で優れた位置にあることがわかったという。
※縦軸(総合的な強さ):各権利者の特許群のスコアを合算した値
※横軸(個別特許の強さ):各権利者の特許群の中で、最高値を有する特許1件のスコア
※円の大きさ:有効特許件数
パテントリザルトは、パナソニックの特許が質と量で優位であるとされた理由として、以下の3点が考えられるとしている。
1. 商用実績で培った人財・組織・技術を自動車セキュリティに展開
パナソニックは、AV機器、モバイル、IoT機器など、組み込み機器向けセキュリティの商用実績があり、人財、組織、技術を自動車セキュリティへ展開。セキュリティの勘所を熟知した技術者が、新しい自動車セキュリティの領域でも優れた技術開発と特許出願を推進できるという。
2. 実車ハッキングチームと対策チームが切磋琢磨
机上での予測攻撃だけでなく、市販されている車両を購入し、攻撃実験を行う。ブラックボックスの状態から10車種以上の実車ハッキングを実施しているという。また、攻撃するチームと対策するチームの両方で一体運営し、攻撃と対策の両面でレベルアップを図っている。
3. 特許重視の企業風土
積極的に特許出願する企業文化があり、技術開発に時間を割くのか、特許出願に時間を割くのかはマネジメント次第。同社は、特許出願の重要性を過去から継承、技術者一人ひとりがこの文化を大切にしているという。