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DX経営の課題と実践

なぜ丸井グループとグッドパッチによる合弁会社は「プロダクト」ではなく「組織文化」から着手したのか?

ゲスト:株式会社丸井グループ 相田昭一氏、株式会社Muture 芝尾崇孝氏、株式会社グッドパッチ 長友裕輝氏

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 2022年4月27日、丸井グループとグッドパッチは合弁会社「Muture(ミューチュア)」を設立した。グッドパッチから2名のデザイナー(UX/ブランドエクスペリエンス(BX))、丸井グループから3名が出向し、丸井グループにおけるデジタルサービスのUXデザイン・DX支援を行う。さらにフィンテック・小売・OMO事業を起点に、戦略立案・UI/UXデザイン・開発グロースに取り組むという。
 丸井グループでDX推進やスタートアップとの共創投資などを担う上席執行役員 CDOの相田昭一氏、丸井グループから出向しMutureでCEOを務める芝尾崇孝氏、Mutureの立ち上げ前から丸井グループのDX推進に伴走するグッドパッチのデザインストラテジスト長友裕輝氏に取り組みの背景、中核となるプロジェクトの狙いを聞いた。

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創業期からある「小売×金融」のビジネスモデル

 合弁会社Mutureの取り組みの前に、丸井グループの沿革[1]、直近の経営を振り返りたいと思う。

 丸井グループは、1931年2月、創業者である青井忠治氏が「丸二商会」からのれん分けを受けて独立し、中野区桃園町に開店したことから始まる(1935年4月に商号を「丸井」と改める)。創業期のビジネスは、当時、高級商材であった家具の月賦販売であった。小売と金融が一体となったビジネスを創業期から行っていたことがわかる。

 時は流れ、1972年には二代目社長に青井忠雄氏が就任。1980年代から耐久消費財のクレジットニーズが衰退したこともあり、伸びつつあったファッション販売に特化する。若者に信用を供与することで、小売を捨てることなく若者を対象とした小売・金融一体のビジネスへと革新を行う。

 さらに時は流れ、三代目社長に青井浩氏が就任する。フィンテック主導の資本集約型ビジネス(2006~2018年)を掲げ、従来のハウスカードをVISAとの提携により全世界で使える汎用カードであるエポスカードに進化させ、小売・金融の一体運営はそのままに、成長の主役を小売から金融へと移行させていく。キャッシュレス化による決済手段の多様化に応じ、すべての人に向けた金融サービスの実現をめざし、それまでのカード事業からフィンテック事業へと事業の再定義を図った。

 2019年からは、スタートアップとの共創投資主導の知識創造型ビジネスを掲げ、資本集約型のフィンテックが成長する中、IT人材の育成などへの投資はもとより、D2C企業やスタートアップ企業、新規事業領域への投資などを積極的に行うようになった。これまでの小売×フィンテックに「共創投資」を加えた新たな三位一体のビジネスモデルの創出をめざすようになる。


[1]株式会社丸井グループ「沿革」(株式会社丸井グループHP)

丸井グループが考える「パラダイムシフト」

 直近の中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)[2]の中身を見ていこう。

 直近の中計では、今後10年間の環境変化として、「現世代から将来世代への世代交代」「デジタル技術の導入期から展開期への移行」「有形資産から無形資産への長期的なシフト」という3つのパラダイムシフトを挙げる。

 「現世代から将来世代への世代交代」では、将来世代の価値観に適応することが企業の存続に必須であるという見解を示している。それは、総務省統計局の調査で2024年頃に「日本の生産年齢人口に占める将来世代の割合が、現世代の割合を逆転する」と予想されていることに基づいている。

 「デジタル技術の導入期から展開期への移行」では、ソフトウェアやオンラインを中心したデジタル技術の発展から、デジタルがフィジカル領域に浸透し、オンラインとオフラインが融合する時代へ移行したと言及。店舗とフィンテックを通じて「オンラインとオフラインを融合するプラットフォーマー」をめざすとしている。

 「有形資産から無形資産への長期的なシフト」では、無形資産への投資が「世界経済最大のトレンド」となる中、まだまだ日本では有形資産から無形資産へのシフトが十分だとはいえず、さらに強化する必要があるとする。人材やソフトウェアに加えて、新規事業や共創投資などの無形資産にも積極的に投資し、有形資産の労働集約型から無形資産の知識創造型企業への転換を掲げた。

 このような丸井グループを取り巻く経営環境の変化の中で、どのような経営戦略を描いているのであろうか。


[2]株式会社丸井グループ「MEDIUM-TERM MANAGEMENT PLAN 中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)」(株式会社丸井グループHP)

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この記事の著者

栗原 茂(Biz/Zine編集部)(クリハラ シゲル)

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