NECは、クラウド型サービス「NEC Vector Annealing サービス」のラインナップを見直し、月額25万円から利用できるスタンダードプランと、月額125万円から利用できるプロフェッショナルプランの2種を11月1日より提供開始する。また、情報の持ち出しが難しいなど社内で利用したい顧客向けに、オンプレミス型のソフトウェアライセンスを9月1日より提供する。
NEC Vector Annealing サービスは、量子アニーリング処理に適した独自開発のアルゴリズムを組み込んだソフトウェアを、ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」上で動作させ提供するクラウド型の疑似量子アニーリングサービス。月額定額制のサービスを提供開始するとともに、大規模かつ複雑な問題にも対応可能とする機能追加を行ったという。ラインナップ追加および機能強化の概要は以下のとおり。
2種のクラウド型サービスとオンプレミス型ライセンスの提供
クラウド型のNEC Vector Annealing サービスでは、スタンダードプランと、求解性能を重視し基幹業務での活用を想定したプロフェッショナルプランを提供。情報の持ち出しが難しいなど社内で利用したい顧客向けに、SX-Aurora TSUBASAとともに利用するオンプレミス型のソフトウェアライセンスを提供開始するという。NEC Vector Annealing サービスでは、量子コンピューティング技術の活用に向け様々な検討ができるよう、従量課金制ではなく月額定額制で提供する。
従来サービス比3倍となる30万ビット規模への拡大
SX-Aurora TSUBASAに搭載するカード型ベクトルエンジンを複数枚高速に接続することで、従来比3倍となる30万ビットに規模を拡大。従来は解くことが難しかった約500都市の巡回セールスマン問題でも高速に解くことが可能になるという。
従来サービス比で最大30倍となる求解性能の高速化
それぞれの組み合わせ最適化問題の制約条件に基づき不要なアニーリング計算を削減するフリップオプション機能の強化など、アルゴリズムの改善により求解性能を従来製品比最大30倍に高速化した。
NECは、同サービスをはじめとする最適化関連事業で2025年度までに100億円の売上を目指すという。