富士通は、顧客のDX実現に向けて、既存情報システムを見直し、最新化する「モダナイゼーションサービス」を強化すると発表した。現行の顧客資産(業務プロセス、データ、アプリケーション、IT基盤)を可視化し、DX基盤としてのあるべき姿をデザインした上で、スリム化やモダナイゼーションを支援するという。
富士通は、モダナイゼーションサービスを、業務・資産可視化、グランドデザイン、情報システム全体のスリム化、モダナイズの4つのステップに分けている。顧客自身でモダナイゼーションを実施する場合は、技術支援も実施するという。概要は以下のとおり。
- 業務・資産可視化:各種プロセスマイニングツール(「Celonis EMS」や「SAP Signavio」など)を活用した業務プロセスの可視化、マスターデータの棚卸し・データアナリティクスによるデータの可視化、アプリケーションの可視化を実施。アプリケーションの可視化においては、同社のソフトウェア地図によるアプリケーションの構造分析、稼働資産分析、類似分析、資産特性分析、システム相関分析を実施する
- グランドデザイン:Ridgelinezおよびコンサルティングパートナーと連携し、EA(エンタープライズアーキテクチャ)に関する手法の一つであるThe TOGAF Standardなどにより、グランドデザインを作成
- 情報システム全体のスリム化:情報システム資産の中には、ほとんど使われていないにも関わらず、維持・稼働しているものがあるという。可視化を通じて、稼働システム内の資産をスリム化する
- モダナイズ:顧客資産における個別情報システムに応じて、各種ツール(「PROGRESSION」など)によるリライト、リホスト、再構築、サービス移行などを適用し、モダナイズする。IT基盤に関しては、「Fujitsu Uvance」の「Hybrid IT」をベースにパブリッククラウドやプライベートクラウドへの移行を支援する
なお富士通は、モダナイゼーションに欠かせない技術情報やノウハウ、知見を集約するセンター・オブ・エクセレンス(CoE)として、「モダナイゼーションナレッジセンター」を9月1日に新設。業種ごとに社内の各部門で保有している移行実績やベストプラクティス、ツールやサービス、専門パートナーに関する情報などを集約するという。
同センターは、9月より日本国内でのサポートを開始し、欧州、北米をはじめグローバルでのサポートを順次開始するとしている。