村田製作所とインターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は、東南アジアでのIoTビジネス展開において協業することを発表した。
協業の下、両社は東南アジアでIoTデータビジネスを計画している企業向けに、「グローバルIoTデータサービスプラットフォーム」を開発し、提供することで合意。同プラットフォームは、村田製作所がIIJの現地クラウド基盤を使って、2021年からインドネシアで展開している交通量情報のデータ提供サービスをベースに開発するものだという。
これにより、データビジネスを行う企業向けに、データ収集から販売支援までをワンストップで提供する。2023年夏を目処に、まずインドネシア・タイ・マレーシア・ベトナムから事業を開始していくと述べている。
現在、村田製作所は、交通量を見える化する「トラフィックカウンタシステム」によるデータ提供サービスをインドネシア・タイで展開しており、同サービスにおいてはIIJグループが現地クラウド基盤を提供、システム構築から運用までをサポートしている。両社は、このデータ提供サービスで培ったセンサ・通信技術やデータ分析手法、ビジネスモデルの知見、ノウハウをもとに、これから東南アジアでデータビジネスへの参入を計画している日本企業に対して、グローバルIoTデータサービスプラットフォームを提供し、スムーズなビジネスの立ち上げを支援するとしている。
グローバルIoTデータサービスプラットフォームの主な特徴
データビジネスに必要なパーツや機能をワンストップで提供
データを集めるセンサデバイスから、伝送するエッジサーバ、ネットワーク、データの蓄積・加工をするクラウドサービスまで、基盤となるシステムとその運用に加えて、収集したデータの解析、データの販売業務支援までを、ワンストップで提供する。
東南アジアでのデータビジネスに必要な機能とサポートはすべてそろっているため、これから東南アジアでデータビジネスを始める日本企業は、同プラットフォームを導入するだけで、データビジネス事業をスタートすることが可能だという。
現地法規制に対応したプラットフォーム
同プラットフォームでは、高いセキュリティ水準を担保し、現地のデータ保護法に対応したIIJグループの現地クラウドサービスにデータを格納したうえで、現地オペレータが主体となってデータビジネスの展開、販売の支援など体制づくりまでサポートする。そのため、現地の法規制に知見のない日本企業がビジネス進出する際にも、早期かつ安全に立ち上げが可能だとしている。
グローバルIoTデータサービスプラットフォーム概要
企業がグローバルで展開するデータビジネスを実現するIoTプラットフォームで、センサやクラウドサービスなど各機能の提供に加えて、データ分析や販売などの支援までを行う。
主に公共インフラ/サービスインフラ/土地・建物/モビリティといった事業や関連サービスを、東南アジアのローカルマーケットに展開、検討する日系企業を対象に、高い品質、セキュリティを確保したプラットフォームを展開していくという。
提供機能
- 対象データを取得するためのセンサ・カメラとセンシング技術(村田製作所)
- データを集めるためのゲートウェイ、無線・モバイルネットワーク(村田製作所、IIJグループ)
- 収集したデータを連携・加工・蓄積・可視化する現地クラウドサービス(IIJグループ)
- 収集したデータを日本国内で二次利用・活用するための国内クラウドサービス(IIJグループ)
支援サービス
- データ分析チームによるデータ解析とレポート作業(村田製作所)
- 現地オペレータによるデータ販売業務支援(村田製作所)
- プラットフォーム活用にあたっての技術支援(IIJグループ)
今後は、両社が持つ技術や知見・ノウハウを活かしたIoTプラットフォームの展開を通じて、東南アジアにおけるデータビジネスの活性化、実用化、そしてグローバルなデータサプライチェーン実現を推進していくと述べている。