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ビジネスアーキテクト養成講座 for DX

DXと従来のIT投資は何が違うのか──ビジネスモデルや変革、業績の改善から考える「DXの本質」

第2回

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 「ビジネスアーキテクト養成講座 for DX」の第2回は、DXの本質・後編です。前回に引き続き、DXの定義(デジタルテクノロジーを活用したビジネスモデルを通じて組織を変革し、業績を改善すること)の中に含まれるキーワードについて触れていくことにしましょう。

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DXで重要な「ビジネスモデル」にある4つの要素

 第1回記事で取り上げた「デジタル」に続き、2つ目のキーワードは「ビジネスモデル」です。

 DXの定義と同様、ビジネスモデルの定義にも様々なものがあります。日本においても有名な経営学者ピーター・ドラッカー氏は、ビジネスモデルを「顧客は誰か、顧客にとっての価値は何か、どのようにして適切な価格で価値を提供するのか」という質問に対する答えだと説明しています。

 私の過去の連載でもご紹介したビジネスモデルキャンバス(ビジネスモデルを1枚の図で簡潔に表現するもの)を考案したスイスの経営コンサルタントであるアレックス・オスターワルダー氏は、「組織が価値を生成、提供、獲得する方法の論理的根拠を説明するもの」と説明しています。これは、「組織がターゲット顧客に対して価値あるプロダクトやサービスを生成し、次にそれらを顧客に提供し、最終的にその対価としてお金を獲得する論理的な根拠を説明するもの」と言い換えられるでしょう。

 この定義によれば、ビジネスモデルは価値、価値の生成、価値の提供、価値の獲得という4つの大きな次元から構成されていることが分かります。これは、本連載の後半でお話しするDX戦略の焦点を決めていく上で非常に役立ちます。

ビジネスモデルを構成する4つの側面
図1:ビジネスモデルを構成する4つの側面
クリックすると拡大します

 デジタルテクノロジーを活用したビジネスモデルとは、これら4つの側面の1つ以上に対してデジタルテクノロジーを活用したビジネスモデルを意味します。

 例えば、Amazonをサンプルとして取り上げてみましょう。

  • 価値:同社が販売しているKindle端末と電子書籍、EchoスピーカーとAlexaの組み合わせは、デジタルテクノロジーを活用した価値をもつプロダクトやサービスです
  • 価値の生成:同社の物流拠点であるAmazon FC(フルフィルメントセンター)では、入荷した商品の棚入れや注文された商品の棚出しといった業務を自動走行ロボット(Amazon Robotics)が行っており、これは価値の生成という次元にデジタルテクノロジーを活用したものと捉えることができます
  • 価値の提供:レジのない次世代型コンビニエンスストアであるAmazon GOでは、センサーや画像認識技術、機械学習をはじめとする様々なデジタルテクノロジーが駆使されており、これは価値の提供という次元に焦点を当てたものです
  • 価値の獲得:Amazon PrimeやAmazon Payは、価値獲得の次元にデジタルテクノロジーを活用したものです

 ところで、DXは既存ビジネスを対象とするのか、新規ビジネスを対象とするのかという質問を受けることがあります。この質問に即答することは難しいのですが、既存ビジネスと新規ビジネスの違いは何かを明確にすることから始めなければなりません。例えば、ナイキがセンサーを搭載したランニングシューズを市場投入した場合、これは新規ビジネス、既存ビジネス内の新規プロダクトなのでしょうか?

 いずれにしても、DXは事業の多角化を目的とするものではないので、新規ビジネスであっても、既存ビジネスとの親和性または相乗効果があるものを選択することが望ましいと考えます。その新規ビジネスのリスクも軽減されるはずです。例えば、既存顧客にデジタルテクノロジーを活用した新しいプロダクトやサービスを提供する、あるいはクラウドテクノジーを活用して自社が得意とする業務を事業化するなどです。

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この記事の著者

白井 和康(シライ カズヤス)

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