なぜウェルビーイング経営が必要なのか?
小布施:ウェルビーイング経営は、多くの企業で経営・人材戦略の中心課題として捉えられるようになりましたよね。矢島さんは先ほど、「三井住友トラストHDでは元々お客さま本位の考え方が先行していたが、今は社員のウェルビーイングを戦略の中心に据えるようになった」とお話しされていました。どのような経緯があって、そういった方向転換が図られたのでしょうか?
矢島:契機となったのは、2020年にパーパスを策定したことでした。我々のパーパスは「信託の力で、新たな価値を創造し、お客さまや社会の豊かな未来を花咲かせる」ことです。予測が困難な時代において、“ありたい姿”を自ら描き、自分たちの手で未来を創造していくためには、組織の活力が今まで以上に必要とされます。