アイデアを限界までしぼりだす「Brain Dump」と「If Apple Do」
NTTデータでは、顧客とともに目指す5年後の新しい社会の形を 「Smarter Society Vision」として策定。Smarter Societyを実現するために、多くの顧客と培ってきた知見や豊富なアセットを活用し、業界を超えて企業や行政をつなぐことで、共創パートナーと新たなエコシステムを構築し新規事業の創出を目指している。
NTTデータでSmarter Societyの実現・推進を担う、ソーシャルデザイン推進室が実施した社内ビジネスコンテスト内の「BDS Field Trip」ワークショップの様子をお伝えする。
ワークショップ前半はFORTHを活用したアイデア発散パートだ。はじめに行う「Brain Dump」というワークでは、テーマである「高齢者ウェルビーイング」に関連したアイデア・キーワードを個人で付箋に書き出す。最初の数分でアイデアが尽きてしまい、天井を見上げる参加者もいたが、実はそれも良いアイデアを出すためには必要なステップだという。
また、高齢者だから「デジタルに疎い」「スマホは使えない」などと固定観念に囚われることもしばしば。自由な発想でアイデア出しすることの重要性を皆が感じていたという。
個人ワークが終わると、他の人のアイデア(付箋)を見て刺激を受けることで、アイデアをさらに書き出すワークに移行した。他の人のアイデアを見ると、「そんな考え方もあるんだ」「自分では絶対思いつかない」と思うものも多く、ワークショップという場の力を活かす価値を参加者は実感したという。
アイデアの中身だけでなく、他の人の書き方も参考になる。長い文章で書くのではなく、解決策につながるアイデアを単語レベルで端的に書くことがコツだ。今回はある人が挙げた「ピンピンコロリ」というキーワードが参加者全員の印象に強く残ったようで、キャッチーな言葉はさらに発想を刺激すると、参加者の多くの学びとなった。
次のステップでは「If Apple Do」というワークが行われ、自分自身が誰かになりきってアイデア出しを行う。今回は「もしあなたがスティーブ・ジョブズだったら」「もしあなたがドバイの石油王だったら」という2つのお題でグループワークが進められた。
アイデアが出にくい状態にあった参加者も多く、普段「正解」を求められる仕事をしている人は同じ状態になるだろうと感想を漏らす参加者も。一方で、グループ内でアイデア出しを進めるなかでは、「ドバイの石油王」から「砂漠」「クルーザー」「高層ビル」など連想ゲーム的にキーワードを出す人もいるなど、ひとつの型にはまらない思考法が重要になるということを皆で確認できるワークショップになったもようだ。
「Brain Dump」「If Apple Do」あわせて2時間前後のワーク中に、参加者17名からアイデア数が計465個、1人平均27個ものアイデアが出た。
そしてFORTHの最終ステップ「Idea Pick」では、計465個のアイデアのなかから自分が今後具体化したいと思えるアイデアを3つピックアップする。その後、どういう想いで全体からそのアイデアを選んだのか全体に共有し、アイデア発案者(付箋を書いた人)からも書いた時の想いが共有された。
ここではアイデアの発案者と選択者(ピックした人)によって言葉の受け取り方が違ったり、ひとつの付箋から分岐した異なるアイデアが生まれたりと、参加者の多様な考え方を活かせるワークショップだという感想が参加者の多くから述べられた。
この後、FORTHのプロセスを用いて創出・ピックアップしたアイデアを、後続のBDSワークショップにより具体化する方法の解説とワークショップが行われた。