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事業創造と価値創出のための「アート思考」

アート思考とこれからの働き方──好奇心と探究心でRICE WORKからLIFE WORKに転換する

第4回

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 前回は戦後復興期の日本を支えてきた大企業の創業者たちの事例から、アート思考(創業者思考)のプロセスを解説しました。生活に根差し、そのスタイルを変え、そして文化として世の中に浸透するまでに要する時間感覚も掴んでいただけたかと思います。これを踏まえて今回は、未来視点で“これからのアート思考の意義”について紹介していきます。

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求められる能力やスキルの時代変遷

 第2回でも触れたように、現代はVUCA時代に突入しており、加速度的に世の中は変化しています。国家間の戦争や米国で相次ぐ銀行の破綻など、予想すらしていない出来事が次々と起こり、個人的には戦国時代・明治維新直前のような時代観に近しいものを感じています。

 また、AI技術を筆頭としたメガトレンドが発生しています。産業構造がダイナミックに変わる予兆の中では、求められる職業や必要とされる能力・スキルも変化します。

 そこでまず、戦後以降における社会全体の労働構造の変遷を、下記の図で確認していきましょう。

 まず、左側のピラミッドに注目してください。これは、第3回でも解説した戦後復興の労働構造を表したものです。1945年の終戦後、焼け野原からの立て直しは、価値の創造(0→1)からオペレーション業務(10→100)まで、すべてのプロセスの仕事が人間の力によって進められていました。

 復興期を経て、中央図が1955~1973年の高度経済成長の段階です。ここでは“作業の効率化”が重要なポイントでした。そこで、オペレーション業務においてITシステムを導入することで、生産スピードを高めてきたのです。

 そして、現代以降の労働環境を指すのが、一番右のピラミッドです。定型業務のAI(無人)化、さらにはDXによる業務変革も相まって、近い将来に人間が担う仕事は「新たな価値創造」に絞られると考えています。つまり“斬新かつ永続的に人間の本質的な価値を創出する”ことが求められるようになるのです。

 超少子高齢化により労働人口が急激に減少している日本では、AIと人間のそれぞれの強みを活かした共創が重要になってきます。AIの強みは、これまでの管理型の日本社会が得意としていたシステム化されたオペレーション作業です。直近ではOpenAIが発表した対話型AIのChatGPTが発展を見せており、これを活用しない手はありません。

 文明の力を最大限活用するためには、我々活用側のリテラシーアップも欠かせません。AIへの依頼事項を細かく言語化したり、前提条件や課題を発見したりするための“発問力”が重要になってくるのです。

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この記事の著者

尾和 恵美加(オワ エミカ)

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