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事業を生み出す「変革人材」の活かし方

新規事業開発の現場で求められる「変革人材」とは──既存事業のエースとの比較でみる事業開発の“素質”

第1回

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 新規事業開発は不確実性の高い取り組みで、求められるスキルやマインドは既存事業のそれらと大きく異なります。本連載では、VUCAの時代の新たな価値創出で力を発揮する「変革人材」について、詳しく解説していきます。第1回となる今回は、既存事業のエースとも目される「優秀人材」との比較を通して「変革人材」とはどのようなものかご紹介します。

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リクルートで出会った「変革人材」

 本連載のテーマである「変革人材」とはどのようなタイプの人材なのでしょうか。最初に結論を申し上げると、「変革人材」とは「素直な人」です。これまで約10年新規事業創出を社内外で行ってきて、「どのような人が新規事業に向いているのか」という質問を何度も受けてきました。その問いに一言で答えると「素直な人」となるのです。この“素直さ”の重要性に気づくことになったある人物との出会いをご紹介します。

 私は、2014年からアルファドライブを立ち上げる2018年まで、リクルートで新規事業創出の番人である事業創出制度「NewRING/Recruit Ventures」の事務局長と、インキュベーションマネージャーを務めていました。

 その人物との出会いは、新規事業開発のプロセスの中盤、ステージゲート審査に向けたモニタリング会議でのことでした。彼が半年かけて検証してきた仮説が、上長の「この先に提供価値はないのではないか」という指摘で崩れそうになっていたのですが、指摘を受けた彼の反応は驚くべきものでした。彼は「そうかもしれませんね」と、即座に仮説を捨てたのです。

 事務局長として同席していた私は大いに驚きました。半年間検証を続けてきており、起案時からの想いも込められているはずです。それでも上長の指摘を受け止め、仮説を変えるという態度を瞬時にとりました。

 これが“素直さ”の正体です。これは、上長の意見に素直、従順、忠実だという意味でも、空気を読んだ行動をしたという意味でもありません。どれほど不都合でも、どれほど気持ちの悪いものでも、新しい事実に対して興味を示し、そして受け入れ、次の行動につなげることこそが、ここでいう“素直さ”です。

 その後も私は、新規事業創出の過程でこのようなシーンに数多く立ち会うことになります。エントリー期から仮説実証期まで幅広いフェーズで、新しい事実に対してすぐに行動に移す人物に出会ってきました。彼らに共通する特性・資質がありそうだと考え、「変革人材」を研究するに至ったのです。

 最初に「変革人材」を「素直な人」と一言で表しましたが、次のページではより深く理解するために、各社で既存事業のエースとも目されている「優秀人材」と比較していきます。

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この記事の著者

平尾 譲⼆(ヒラオ ジョウジ)

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