変革人材が備える「19の特性」とは
「変革人材が備える特性」とは、新規事業開発をはじめ、変革期の企業活動に携わる多くの人物と接し、多くのシチュエーションに対峙する中でまとめた、特徴的な特性です。今回は「これらすべてを備えてなければ変革人材ではない」というものでもないことを前提に紹介していきます。
また、これは第1回でもお伝えしましたが、これらの特性を持っていることが、直ちによい結果を導くとは限りません。むしろ万能ではない特性が多く見つかると思います。だからこそ、変革期の企業活動において、突破の鍵を握っているのだと捉えられるのです。
まず、全体を眺めてみましょう。4つのカテゴリーに分かれ、その下に19の特性が並んでいます。
最初の4つは、「ものごとの捉え方」というカテゴリーに括られています。これらの特性を持ち合わせている人物は「柔らかい」「柔軟」といった表現が合いますが、柔らかい中に自律性を持ち合わせるため、先行き不透明な業務や課題にも、ストレスを感じにくく、足を止めずに取り組める特徴があります。
不透明な中での“次の一歩”に活きる「ものごとの捉え方」4つの特性
1.思いを実現する
自分の可能性を最大限に活かし、ポジティブにものごとに取り組む特性です。自己実現志向と言い換えてもよさそうですが、自分の中にある“Will”起点でものごとを進めるという特徴があります。新規事業に携わるチームで考えると、この特性を持つ人物は、特に初期フェーズで上り坂を押し上げるエンジンとなります。
2.楽しむ
どんな状況でも楽しさを見つける特性です。想定外のこと、予想外のことが起きるような困難な状況でも、ポジティブな側面を見つけ、それを楽しみながら問題を解決していきます。
3.曖昧を許容する
はっきりしない曖昧な状態や、先が見えないことに対して不安を感じにくい特性です。たとえば、プロジェクトの初期段階では答えが見えない状況が多いですが、その状況に対しても気にせず、心折れずに前に進める力があります。
4.楽観する
何事に対しても前向きに捉えなおすことができる特性です。たとえチームに難しい状況が降ってきても、その中に潜む可能性を見つけ、それを最大限に活用しようとします。
このカテゴリーは、「捉え方が柔らかければいい」というわけではありません。たとえば、楽観するばかりでリスクを低く見積もってしまうと、危機を避けられなくなります。また、失敗をしても反省しない、学ばないことにもなりがちです。柔軟な捉え方がそのしなやかさを発揮するのは、次に何をしたらいいのか不透明になった瞬間、硬直しがちな状況で次の一歩を踏み出さなければならないような時なのです。