「椅子に座れないAI」が生み出す中央集権な最適化社会
自らに気づき、感じる身体を持つ人間が、今まさに置かれている状況を理解するために、「椅子」について考えてみたいと思います。
世の中には様々な形状の椅子があります。集中して仕事をするために腰掛けるオフィスチェアだけが椅子だけではありません。山登りをして、へとへとになって、一休みしようとしてふと目に入った木の切り株もまた、その瞬間には椅子の役割を果たします。それだけではなく、旅行中のスーツケースも、階段さえも、自らの置かれた状況次第ではそれを椅子としてみなし、その身を委ねるのが人間です。