日本電気(以下、NEC)は、橋梁やダムなどの大規模構造物3Dデータと過去の点検画像を組み合わせてモデル化することで、損傷の位置やサイズの変化検知と進行予測を可能とする技術を開発。6月から愛知県豊田市と共同で、同市内の橋梁において同技術を用いた実証実験を開始する。
同技術では、現実空間の事象をデジタル空間に再現するデジタルツインを活用し、デジタル空間に建造物の実寸大の3Dモデルを構築。具体的には、レーザー光を活用し距離や形状のセンシングを行うLiDARを用いて計測した建造物の3Dデータ(点群データ)と、異なる位置や角度から撮影した過去の画像を照合・解析することで、損傷の位置やサイズの時系列変化を3Dモデル上で検知するとともに、これらを自動で記録するという。
また、過去の画像から現状における損傷の進行程度を数値化し、時系列変化の傾向から将来の経時変化を予測。これにより、例えば補修時期判断の際に役立てることに加え、現地での点検業務の効率化にも貢献するとしている。
NECは今後、同技術を強化し、2025年度を目標に橋梁の管理者や点検従事者向けの製品化を図るとともに、橋梁を含むインフラ施設管理全般のDX推進に取り組んでいくという。