NVIDIAとソフトバンクは、生成AIと5G/6Gを見据えた次世代プラットフォームの構築に向けて協業すると発表した。
このプラットフォームは「NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip」がベースになっており、ソフトバンクが今後構築する日本各地の新しい分散型AIデータセンターへの導入を予定しているという。
生成AIのアプリケーションとサービスの世界的な展開を推進するために、ソフトバンクはNVIDIAと協力の下、コスト削減が可能で、エネルギー効率の高いマルチテナントな共通サーバープラットフォームで、生成AIとワイヤレス通信向けのアプリケーションを提供するデータセンターを構築。このプラットフォームでは、Arm Neoverse の GH200 Superchipをベースにした新しい「NVIDIA MGX」リファレンスアーキテクチャが使用され、アプリケーションのパフォーマンス、スケーラビリティおよびリソースの利用率の改善が期待されていると述べている。
新しいデータセンターは、より均等に分散化され、AIと5Gの両方のワークロード処理の実現を目指す。これにより、低遅延でピーク時の運用を実現し、全体のエネルギーコストを削減できるとしている。
業界トップクラスのスループットを実現する仮想RAN(vRAN)
NVIDIA Grace HopperとNVIDIA BlueField-3 データプロセッシングユニットにより、特注のハードウェアアクセラレーションまたは専用の5G CPUを使わずに、ソフトウェアデファインドの5G vRANと生成AIアプリケーションを加速できる。また、NVIDIA SpectrumイーサーネットスイッチとBlueField-3は、5G向けの高精度なタイミングプロトコルを備えているという。
このソリューションは、NVIDIAアクセラレーテッド1U MGXベースのサーバーデザインになっており、一般に利用可能なデータのダウンリンクスループットが5Gアクセラレーターで36Gbpsの容量を達成し、5G速度の性能限界を打破。事業者にとっては、業界標準のサーバーで、このような高さのダウンリンク容量を実現することがこれまでの大きな課題になっていたという。
新しいリファレンスアーキテクチャー
NVIDIA MGXは、モジュール型のリファレンスアーキテクチャであるため、システムメーカーやハイパースケールのユーザーは、さまざまなAI、HPCおよび NVIDIA Omniverseアプリケーションに適した、100種類の異なったサーバーを迅速かつコスト効率よく構築できるプラットフォームを導入可能だとしている。
クラウドネイティブ5Gネットワーク向けの NVIDIA Aerial ソフトウェアを組み込むことにより、これらの5G基地局を通じて、通信事業者は、コンピューティングリソースを動的に割り当てられるようになり、競合他社の製品に比べて電力効率が2.5倍向上することが期待されるという。