富士通とHexagon Safety,Infrastructure&Geospatial division(以下、Hexagon)は、災害に強い街づくりを支援するため、デジタルツイン技術を活用して、自然災害の被害を予測し可視化するユースケースと交通事故の危険性が高いスポットなどを改善策とともに提示するユースケースを共同開発した。
両社は、富士通のコンピューティング技術およびソフトウェア技術を利用できるサービス群「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」と、Hexagonの地理空間アプリケーション「M.App Enterprise」を活用。富士通の「デジタルリハーサル」技術を用いて、災害の脅威やそれに対応するための対策の効果をデジタルツイン上で事前に検証し、最適な施策を探索するという。
自然災害の被害を予測し可視化するユースケースでは、降水量データから洪水氾濫の範囲や影響を計算することで浸水範囲を可視化し、被害予測分析を行う予測モデルを共同開発。分析した被害予測をもとに両社が地域の災害対策本部や災害拠点病院における災害対応計画の策定などを支援するとしている。
また、交通事故の削減に寄与するユースケースでは、交通量や道路設計などの要因から衝突事故が発生しやすい危険性の高いスポットを特定したのち、改善策を提案するアプリケーションを両社で共同開発。行政・自治体、道路サービス事業会社の都市計画担当者や道路管理者における交通計画の策定などを支援するという。
今後、サービス化に向けて、ユースケースを基に様々な顧客と実証実験を行い、2023年度中に同ユースケースのグローバル展開を目指すとのこと。加えて、気温や雨量を観測する気象IoTセンサーや天気予報サービスと連携して、異常気象や自然災害発生時の安全な避難経路の確保、インフラ保護の支援を目指すとしている。