脱炭素化を支援する企業向けSaaSプラットフォームを提供しているTerrascope(本社:シンガポール)は、既に展開しているアジア太平洋地域と欧州の5ヵ国に続き、日本法人「Terrascope Japan」を設立するとともに、日本市場でのサービス開始を正式に発表した。
日本市場においてはまず、食品・農業、消費財、テクノロジー分野で活躍する企業に対して、サステナビリティとネットゼロの目標を達成するための支援を行っていくとしている。
Terrascopeは、企業が正確で包括的な排出量(特にスコープ3と呼ばれるサプライチェーン全体の排出量)を計測・管理するための、エンドツーエンドの脱炭素SaaSプラットフォーム。データサイエンス、機械学習、サステナビリティの専門知識を活用することで、大企業の事業運営やサプライチェーンにおける脱炭素化を支援し、ネットゼロを達成するための最も効果的な道のりへ導くと述べている。
すでに、三菱食品、noco-noco、POKKA、MCアグリアライアンスなどといった企業に導入されているという。
日本進出の背景、国内戦略的パートナーシップについて
調査会社であるVerdantixとTerrascopeによる共同調査の結果によれば、日本企業の85%が排出量削減の目標を掲げていることが明らかになっているという。これらの目標のうち30%は、SBTi認証(温室効果ガス排出量削減に対する国際認証)されており、スコープ1、2、3の排出量削減を含む内容となっている。これらの企業が自社事業とサプライチェーンを脱炭素化する主な推進事項として挙げているのは、排出量削減の機会を優先すること、将来実施されるであろう規制に対する取り組み、将来を見据えた製品設計などだとしている。
今回の日本進出にともない、Terrascopeはグローバル市場の脱炭素化に対するニーズを多角的に発掘し、包括的な脱炭素化サービスを提供するため、複数の戦略的パートナーシップを発表。三菱商事とは、グループ会社を含めた同社の顧客ネットワークを基に、Terrascopeに潜在顧客を紹介し、サービス拡大をサポートすることで、様々な業界における脱炭素化を一丸となって進めていくという。
また、食品包装・加工ソリューションのプロバイダーである日本テトラパックとは、食品・飲料分野において、従来の財務・経営基準に加えて考慮すべきより正確なサステナビリティ・フットプリント情報を製品レベルで顧客に提供していくとしている。
加えて、みずほ銀行とは、アジア・パシフィック地域における法人顧客に脱炭素化支援サービスの提供を目的とした連携を開始するという。