日本電信電話(NTT)は、地域・住民の幸せ(Well-Being)の最大化の実現に向け、街づくりを支援するプログラムSustainable Smart City Partner Program(以下、SSPP)に取り組み、その中で、スマートシティの成熟度合いや、まちの豊かさを可視化する指標の一つであるスマートシティの国際認証取得支援を進めている。
今回、NTTアーバンソリューションズが手掛ける「名古屋市東区東桜一丁目エリア(以下、東桜街区)」において、スマートシティ運用モデルに関する国際規格である「ISO37106」について、世界で2例目となる「レベル4」認証(BSI認証)を取得した。
ISO37106は、スマートシティの戦略策定および管理運用のプロセスを評価する国際規格であり、特に「ビジョンが明確」「ひと中心」「デジタル活用」「オープンで協調的」な街づくりであることの成熟度が評価されるという。
BSIによる評価のレベルは1から5まであり、レベル3以上でBSIのkitemarkが付与される。現在認証されている最高レベルはレベル4であり、取得しているのは韓国の世宗市のみだった。今回の東桜街区は、世界で2例目のレベル4認定となる。
東桜街区は、2022年2月に日本初となるレベル3を取得しているが、レベル4ではISO37106の各要求項目のプロセスの「成果が測定」されていることが求められる。
なお、今回の取得にあたっては、NTTデータ経営研究所がひと中心の持続可能な地域づくりの観点から、認証取得の包括的なサポートを行ったとしている。
東桜街区が評価されたポイント
以下のISO37106の要求事項について、ポジティブな成果が測定されていることが評価され認証取得に至ったという。
シティビジョン
同街区では「時間と空間からの解放」というビジョンを掲げ、「入居者専用ラウンジ」「屋上テラス」を準備、混雑状況がアプリやサイネージで可視化されABWを実現するという価値の提供を目指している。「施設稼働率」というKPIを設定し、「入居者専用ラウンジ」「屋上テラス」の認知と混雑状況に応じて利用を案内する環境を提供することにより、施設稼働率とともに施設満足度も高まっていることが評価されたという。
リーダーシップ、ガバナンス、アカウンタビリティ
トラブル対応について、即座に責任者にエスカレーションされ、対策を迅速に立案/実行し、テナントなどステークホルダーとのミーティングなどを通じて真摯に解決に努めたことや、ステークホルダーインタビューでも高い満足度、信頼度を確認できたことが評価されたとしている。
ベネフィットデリバリー(便益/価値の提供)
ステークホルダーとの定期ミーティングや街アプリの「気づき投稿」など、デジタルも活用した様々なチャネルから要望やニーズを収集し、改善活動を実施することで満足度向上に寄与していることや、AIカメラで監視することで安心安全の向上に寄与していることなどが評価されたという。
今後の展開
SSPPでは、スマートシティ国際標準規格などの指標の採用のほか、「SUGATAMI」というメソドロジーを活用してまちの豊かさを可視化する営みや、まちづくり人材(ソーシャルデザイナー)の育成に資する取り組みをしており、今後もNTTグループとして、それらの取り組みの具体事例を創出し、地域・住人により運営されるまちづくり、地域・住民の幸せ(Well-being)の最大化を実現すべく、サステナブルでWell-beingなまちづくり支援を展開していくと述べている。