シノプスは、伊藤忠商事と構築に向け取り組んでいる食品デマンド・チェーン・マネジメントの実証実験を開始したと発表した。
両社は、食品ロス削減や物流の効率化といった食品バリューチェーンの最適化を実現するべく、2022年1月に「デマンド・チェーン・マネジメント プラットフォーム」構築に向けた業務提携契約書を締結。今回の取り組みでは、新潟県内で食品スーパーマーケットを運営しているウオロクにて、物流センターの在庫圧縮と特売品の物流センターへの納品リードタイム(以下、納品LT)を長期化する実証実験を開始した。
ウオロク全店では、AIが最適な発注数を算出する需要予測型自動発注サービス「sinopsシリーズ」を導入。今回、sinopsで算出した店舗の需要予測データを再活用し、物流センターの稼働効率の向上を図るという。
また、食品バリューチェーンの最適化を目指し、特売品における納品LTを長期化させる実証実験も実施。sinopsで特売品の需要予測を14日先まで行い、従来は数日前に確定していた卸売業への特売品の発注を、14日前に確定する。納品LTを長期化することで、卸売業の特売期間中の追加発注の対応に向けた需要予測や在庫調整業務の負荷軽減や、物流センターの過剰在庫や欠品リスクの抑制が期待できるとしている。
今後、他の小売業でも同様の実証実験を行い、在庫圧縮率や納品LT長期化における物流改善の効果を現場検証するとのこと。物流における課題を解決し、最適なバリューチェーンを実現するべく、デマンド・チェーン・マネジメントプラットフォームの構築に向けた動きを加速していくという。