顧客の声を再解釈し、未来を描くのがコマツ流の「御用聞き」
中垣 :コマツは未来洞察的な構想に力を入れているのも特徴ですよね。以前、2001年に制作したブランドムービーを拝見したことがありますが、現在のスマートコンストラクションの情景を当時すでに描写していました。20年以上前の段階で、コマツは長期的なビジョンをイメージし、次世代に求められる技術や製品を構想していたわけですね。そうした組織文化の源泉は何だと思われますか。
冨樫:その要因も、やはり現場主義に帰着するのかなと。現場主義とは、言い換えると「顧客視点」ということでもあります。お客さまは常に現場にいらっしゃるので。ただ、お客さまの声はタイムスパンとしては直近のニーズなので、その声を起点にして長期的な未来を構想する工程が必要です。こうした一連のプロセスが行動規範として社内に定着しているのだと思います。