データ・マーケティングに縁がなかった鉄道業界に転換期が
JR東日本のマーケティング本部は、2022年6月に発足したばかりだ。これまでは、安心安全で安定した輸送が最も重視される鉄道事業の特性から考えて、マーケティングというものが重視されてこなかったという。
これは鉄道業界全般に言える傾向だという。そもそも20年ほど前までは紙の切符が用いられており、誰がどこの区間で乗車したかの詳細を知ることは難しかった。当然、移動の履歴と駅の店舗での売上データが紐づいているわけがない。そのため、顧客を総量として捉えざるを得ず、ほとんどの場合マスマーケティングが中心になっていたという。