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企業変革の原動力としての「DE&I」──丸井グループ、みずほFGらが語る実践知

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企業変革の一丁目一番地「DE&I」とは

 日本企業に求められる「変革」の原動力として期待される「DE&I」。経営戦略においても重要な位置づけとされているが、中には「DE&Iは女性のための取り組みではないか」という誤解をしている人も少なくない。そこでまず、記者として20年間にわたってダイバーシティの重要性を訴え続けているジャーナリストの浜田敬子氏から、「なぜ組織にダイバーシティが必要なのか」として、日本の現状についての問題提起が行われた。

 浜田氏は「DE&Iは企業変革の一丁目一番地。大きな構造改革ができていないのも人材をムダにしているから。DE&Iが進んでいないからと考えられる」と訴える。

ジャーナリスト 浜田敬子氏
ジャーナリスト 浜田敬子氏

 そもそもダイバーシティとは、女性に限らず、一人ひとり様々な“個”がそれぞれの能力を最大発揮できるよう、働きやすい組織・環境にすることが企業や社会の変革につながるという考え方だ。さらに、多様なニーズに応えるには、当然ながら多様な人材がいる方が強い。異なるバックグラウンドの人のアイデアをかけ合わせるところにこそイノベーションが生まれると考えられている。

 さらに、そうしたメリットが得られないこと以上に浜田氏が懸念するのが、DE&Iでないこと、つまり組織の「同質性」に潜むリスクだ。多様な人材のいない組織には、若い世代や女性などの優秀な人材が集まりにくい。つまり、意思決定者が「男性の年長者だけ」という絶望感が、若手が離職する際のトリガーにもなっていると考えられる。

 浜田氏は「経営者の中には、自社は社会課題の解決がミッションだという人も多いが、その課題に直面しているのは、女性であり、高齢者、子ども、障害を持つ人、性的少数派などマイノリティであることが多い。そうした人がいない組織では、社会課題を見つけ出すことも解決することも難しいのではないか」と語る。そう考えれば、当然ながら社内にマイノリティを取り込んでいくために働き方の柔軟性を高める必要がある。

 投資家の中には企業のジェンダーの平等性を重視する人も多いが、その理由として「構造変革の進捗がわかりやすいこと」を挙げるという。つまり、DE&Iが進んでいる組織は風通しが良くなっている状態にあるということ。同質性が高いほど過去の成功体験を踏襲し、低いレベルでの意思決定をしてしまう傾向が強いことは様々な研究でも明らかになっている。

 浜田氏は「同質性が高いと、自分たちの力を過大評価し、外部組織を過小評価して不都合な情報を内部に入れない。集団の規律を重視しすぎるあまりに逸脱する人を許さない、結果、ボトムアップで意見が通りにくく、経営層の判断も鈍くなる。業績不振だけでなく不祥事などへとつながっていく」と手厳しく分析する。

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伊藤 真美(イトウ マミ)

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