2026年5月7日、bridgeと山形大学社会共創デジタル学環の三冨敬太准教授は、新規事業推進現場におけるリーダーシップと成果実感に関する実態調査結果を公開した。両者は、プロトタイプの具体的な提示により周囲の意思決定や行動を促す「形で動かすリーダーシップ(Tangible Leadership)」の有効性に着目し、調査・分析を実施した。
調査は2025年12月から2026年1月にかけて、大企業及び中堅企業の新規事業担当者・マネージャー・経営層340名を対象にインターネットアンケートとして実施。相関分析・パス分析等の手法を用いて、リーダーシップ行動と成果実感の関係性を可視化した。
主な調査結果は以下の通りである。
第一に、「形で示す説得型」リーダーシップは、傾聴型・協働型を上回る相関係数(0.69)で成果実感に寄与していた。成果を生むリーダーは、プロジェクトの前半から「形で示す」と「傾聴する」を意識的に使い分けている実態が見られた。
第二に、初期フェーズから具体的な形を示すことが、その後も高い成果実感につながる傾向が明確となった。プロトタイプなど“形”は完成度を高めるためではなく、対話を始めるきっかけとして機能していた。
第三に、これまで重視されてきた「心理的安全性」と成果実感の相関係数は0.32にとどまり、「プロトタイピングカルチャー」や「説得型リーダーシップ」など形で動かす力が成果に大きく影響する結果となった。
両者は、生成AIなどの進展によってアイデアを形にするハードルが下がる中で、「形で動かす」コミュニケーションの重要性は今後ますます高まると指摘する。また、具体的な“形”を通じて周囲の理解や対話、共創を促し、組織に主体的な動きを生み出す組織文化の確立が、自走型の新規事業開発のカギになるという。
本調査をもとに自走型組織実現の実践指針も整理され、ホワイトペーパーで公開されている。内容には共同研究データ詳細、組織変革の分析、Tangible Leadershipプログラムの解説も含まれる。
調査に関するさらなる理解を深める場として、「Tangible Leadership」をテーマにしたイベントも2026年7月に開催予定。新規事業や組織開発、人材育成の担当者を対象に、リーダーシップやプロトタイピング文化をどのように組織に根付かせるか議論する。
本研究は、「心理的安全性」に頼るだけでなく、未完成でも形を示し続ける行動の積み重ねが、新規事業の進化と成果に直結することをデータで裏付けるものとなった。
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