本来、事業開発は「やり続けなきゃいけないもの」であるはず
川崎:私が入社した1983年当時のサントリーはウィスキーの売上が絶頂期で、「SUNTORY OLD(サントリー オールド)」は単品では世界で最も売れていたウィスキーでした。しかし、そこをピークにその後10年以上もウィスキーの市場は縮小していき、長期低迷時代が続いたのです。ジャパニーズウィスキー全盛の今では信じられませんが。
そんな状況でしたから、社内の危機感も強く、会社は本業に集中して再成長を期すという、いわゆる「選択と集中」の時代でした。そんな時にウエルネス事業を立ち上げましたから、周囲や上層部からは相当不安な目で見られていたのではないかと。当時を振り返ってみて、よくあの時に立ち上げを許してもらえたなと思います。そこはトップの懐の深さですね。まさに「やってみなはれ」です。経営としては単にシュリンクさせるのではなく、新たなチャレンジの種まきをしっかりしていたことが、その後花開いたということでしょうね。