調査と経験則が一致した、新規事業の現場でいま起きていること
昨今、大企業における新規事業創出の取り組みが大きな変化の局面を迎えています。それを裏付けるデータとして、当社(bridge)で2022年に実施した、新規事業開発活動に取り組んでいる企業担当者(n=300)に対する調査結果を引用したいと思います。
それによると、新規事業創出活動の成果を実感していると回答した企業はわずか3割でした。
bridgeの経験則からも、この割合は妥当な数字だと感じます。さらには、新規事業の創出に頓挫した企業が次のアクションとして「原因を解明することなく支援会社を変える」「取り組みの筋が悪かったと活動を中止する」など、場当たり的な意思決定で対処する傾向にあることから、数字が伸び悩みに繋がっていると推測します。
では、なぜ新規事業開発はうまくいかないのか。阻害要因はさまざまあるものの、特に顕著だと感じるのが、経営陣が活動を牽引することなく、初期の掛け声だけで終わってしまう失敗です。そうではなく、自社にとっての新規事業開発方針を示し、具体的な目標や活動予算、ミッションを付与することでリーダーシップを発揮していくことが求められています。
他方、経営陣によるリーダーシップの発揮は成功要因の1つに過ぎず、それ以外にもいくつかのポイントを押さえる必要があると考えます。それを表したのが下記の図です。
私たちは「自走化」というキーワードを用いて、組織の中に実践知がどれだけ蓄積されているかを定性的・定量的に捉えることで、新規事業創出を成功に導く方法論を描きました。実践知が一定のライン、閾値を越えた企業は筋の良いアイデアが次々と生まれ、実証実験・事業化に向けて動き出しているのです。
つまり、冒頭に触れた新たな潮流とは「社内の提案制度の運営」から「新規事業の生まれる組織づくり=自走できる組織」へと移っているのです。次項では、組織の“自走化度”を見極めるための考え方を、図を用いて、その要点を整理したいと思います。