SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

「DX2.0」に必要な人材と組織

なぜ周囲の理解や後押しが得られないのか? 失敗事例から学ぶ、DX推進組織の立ち上げで実践すべきこと

第4回

  • Facebook
  • X
  • Pocket

【失敗事例1】独自路線をいくデジタルイノベーション部門

 運輸企業のA社では、デジタル変革を目指してCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)を設置し、デジタルイノベーション部門を設置しました。その部門では、人材とテクノロジーを融合させてDXを推進し、新しい顧客体験と社員体験の創出に取り組んでおり、たとえばMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)やドローンなどといった新たな移動手段やサービスの開発を、3ヵ月を1タームとした「アイデア出し→開発→テスト」のサイクルで繰り返し行っていました。

 しかし、具体的なビジョンや目標が不明確であったため、事業部門や現場社員から理解や協力を得ることができませんでした。その結果、何年経っても商業化に至らず、収益にも貢献しなかったため、経営層からの評価が低く、最終的にデジタルイノベーション部門は解体となってしまいました。

【失敗事例2】デジタル変革推進室を新設したのに進まなかったDX

 社会インフラ事業を手掛けるB社は、社会ニーズの変化に応えていくことも視野に入れデジタル変革を目指していました。そして、専門チームとして「デジタル変革推進室」を設置しました。

 デジタル変革推進室は、デジタル活用が遅れている現場組織にデジタル技術を取り入れ、より利便性の高いサービスを提供しようと検討推進していきました。DXのビジョンや戦略、ロードマップなど、デジタル変革には目指すべき姿が必要だと、目的や実現までの具体的な計画も策定していきました。

 しかし、この企業は社会インフラを担っていることもあり、変革や新しい技術による更新に対する慎重論が組織の大部分を占めていました。推進しようとしては、事業部門やそこを管掌する役員に阻まれ、経営層のコミットメントを得ることができませんでした。その結果、デジタル変革推進室のリーダーが退任してしまい、組織としても何も進まないまま解体となってしまいました。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
DX推進組織の立ち上げ前に必要となる“明確な”ビジョンと目標

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
「DX2.0」に必要な人材と組織連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

中村 祥子(INDUSTRIAL-X)(ナカムラ ショウコ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング