価値は無限に生み出せる。無形の生産手段は社会全体で共有できる
岩尾氏は、「実際には、価値は無限に生み出せる」と語る。
たとえば、一昔前の石油と鉄に代わって、今や現代の戦略資源・最重要資源とされる半導体集積回路は、地球上にありふれているケイ素(シリコン)という元素から作られる。しかし、ケイ素そのものに石油のような価値があるわけではない。加工プロセスやそれを実現させる組織体制によって、半導体集積回路の価値は生み出されている。つまり、ヒトが複雑な機械を駆使してケイ素という資源を活用できる形に組み替えることで、価値創造が行われているのである。たしかに、地球上の資源は有限かもしれない。しかし、その組み合わせ方には無限の可能性があり、だからこそ「価値は無限に生み出せるのだ」と岩尾氏は主張する。