本書は宿泊予約サービスの一休.comを運営する一休の代表取締役社長・榊淳氏による、同社が取り組むデータドリブン経営のノウハウを明かした初めての著書です。
一休はコロナ禍の危機をデータドリブン経営に舵を切ったことで乗り越え、さらに右肩上がりの急成長を実現しました。榊氏は、その要にあった考え方こそDATA is BOSSだったと語ります。
榊氏の言うデータとは顧客のこと。データドリブン経営で最も重要なのは、データ分析に深く踏み込むことで顧客を理解し、その声に素直に従うことです。
だからといってデータ分析ができなければいけないわけではありません。本書で語られるのは、ビジネスサイドの方がデータドリブン経営を成功させたいなら、エンジニアやデータサイエンティストなどデータ人材と協業するための共通言語を持ち、目的のあるデータ分析を行うリーダーシップを発揮する必要性があるということです。
そのための考え方や手法、具体的な施策は、すべて本書に詰め込まれています。
各界から推薦
小林製薬 執行役員CDO 石戸亮氏
会社経営をしている社長である榊さんが、データに関する書籍を執筆したというのは、日本企業において非常に意義があることだと思います。特に経営者の方でデータドリブン経営と聞いて「対岸の火事」だと思っている方、自分の判断や経験が正しいと思っている方は推奨です。
Columnにもあります、なぜ欧米には「語れるエンジニア」が多いのか、日本企業がグローバルで競争力を更に出していくヒントも書いてあります。経営者、リーダー、エンジニア、組織をブレークスルーしたいビジネスパーソンにとって視座と行動の変わる1冊です。
埼玉大学経済経営系大学院 准教授 宇田川元一氏
データドリブン経営とは、データを活用する経営ではない。データと対話する経営である。データの側から自分たちを見ようとし、そこから見えてくる事柄に応答しようと絶えず試みる経営のことだ。データは経営の質を高める上でも強力な対話相手になる。まさに、BOSSである。
プロダクトの質的な向上はもちろんのこと、企業を変革する上での共通言語にもなりうるだろう。データと対話できない時は、何か経営上の問題があるときだ。戦略がなければデータと対話することができないからだ。データが語ることの意味を見出し、そこから価値を創造するための視点と方法がこの本には述べられている。
目次
はじめに 「DATA is BOSS」の意味
序章 まず知ってほしい「データドリブンは、ビジネスの話」
第1章 データを制するものがビジネスを制す
1.1 急成長の着眼点とデータドリブンの役割
1.2 変えたのはひとつだけ
Column 内なる才能は社内から見つける
第2章 「掛け声だけ」で終わっている日本型データドリブン
2.1 日本型データドリブンの現状
2.2 データドリブンを阻む3つのワナ
Column 横が強い組織、縦が強い組織
第3章 データドリブン経営の本質
3.1 「データ」とは何か
3.2 「データドリブン」とは何か
3.3 「データドリブン経営」とは何か
Column なぜ欧米には「語れるエンジニア」が多いのか
第4章 データドリブン経営の実装
4.1 顧客行動を見える化する考え方
4.2 一休で実践している「顧客行動の見える化レポート」10選
4.3 「問い」をもって分析に臨むための連携
Column 「勘と経験の営業」にさようなら
第5章 データドリブン施策の具体例
5.1 何をもって勝負するのか
5.2 一休のデータドリブン施策――3つのパーソナライズ施策
5.3 「余計なことは考えない」の意味
Column “爆売れ商品”を検知する
おわりに AIの進化が何をもたらすのか
読者特典 顧客行動の見える化レポート10選