GMO学術サポート&テクノロジーは、富士通のクラウドサービス群「Fujitsu Computing as a Service」(以下、CaaS)上でスーパーコンピュータ「富岳」の研究成果を実用化するサービスを2024年3月1日より提供開始した。
今回展開するサービスは、GMO学術サポート&テクノロジーが、富岳で研究開発したソフトやデータをCaaS上に実装し、研究者に対してハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)を活用した膨大な脳MRIデータの解析環境を提供するもの。同サービスは、2023年10月から2024年2月に理化学研究所の生命機能科学研究センター脳コネクトミクスイメージングチームによる実証実験でも利用され、今後脳MRIを用いた精神神経疾患の自動診断の実現などに貢献することが期待されているという。
研究者が容易かつ高速に脳MRI解析AIの開発を行うために、前処理を事前に施したオープンデータならびにクローズドデータに前処理を施す解析環境を提供。この前処理機能は、解析目的に合わせて、動きや歪みの補正、ノイズ低減などの加工を行うもので、従来2年かかるとされていた数千人の患者の脳MRIのデータ処理時間を2日間に短縮した富岳の研究成果を活用している。同サービス利用者は、CaaS上で富岳と同様に現実的な時間でデータ処理を完了でき、その後のAI開発にスムーズに着手できるとしている。
GMO学術サポート&テクノロジーは今後、脳MRIデータ解析やAI自動診断をはじめとする各種アプリの開発者や研究者に向けた利用環境を構築。富士通は、CaaSの提供を通じて、医療分野にとどまらず産業や防災など幅広い分野における富岳をはじめとするスーパーコンピュータを活用した研究開発成果の実用化を加速するという。