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レゾナック、月の砂を利用した月面での蓄熱・熱利用システム研究がJAXAにより採択・共同研究へ

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 レゾナックは、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が募集した「太陽系フロンティア開拓による人類の生存圏・領域拡大に向けたオープンイノベーション」に関する研究提案に対して、月の砂を利用した月面での蓄熱・熱利用システムに関する研究を提案し、「チャレンジ型」枠で採択されたと発表した。同研究は、レゾナックの社員が提案したもので、4月よりJAXAと共同研究を開始するという。

 JAXAは、研究提案の一つとして、「レゴリス物理蓄熱エネルギーシステム」を募集していた。これは、月に堆積している砂「レゴリス」を蓄熱材として活用しようというもの。レゾナックは、グループで量産実績のある「レジンコーテッドサンド技術」を用いることで、熱伝導率および比熱を向上できると着想した。これはレゴリスの表面にポリアミドイミドなどの樹脂層をコーティングし、締め固める手法だという。

 この適用可能性を確認するため、メンバーは、熱が輻射のみで伝わる真空の環境かつ約2週間ごとに昼夜の過酷な気温変化を繰り返す月面環境を想定して、熱シミュレーションを実施。その結果、熱伝導率、比熱ともに向上し、月の赤道面においてはレゴリス単体に比べ、コーティングした場合のほうが昼間の太陽熱を20倍以上蓄熱可能な見込みであるという結論を得たとしている。

 今回提案した手法は、月面上で、スクリュー混練のみでコーティング可能であり、実現できれば低エネルギーで大量製造することが可能。同社は計算情報科学研究センターでシミュレーション技術を保有しているため、今回の蓄熱効果の検証を短期間で実現できたとした。

樹脂とレゴリスの複合モデル
樹脂とレゴリスの複合モデル
樹脂でコーティングし、締め固めたレゴリスの断面(構造X線CT分析)
樹脂でコーティングし、締め固めたレゴリスの断面(構造X線CT分析)

 今後、JAXAとの共同研究実施に向け、研究計画・体制などの調整を行った後、レゴリスを蓄熱材として成立させるための検討、また、コストと性能のバランスの取れた月面用蓄熱エネルギーシステムについて検証を行う予定。なお、JAXAとの共同研究期間は、最長1年を予定しているという。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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