ノックラーンは、日本と海外のVCの投資先スタートアップに対する採用支援の実態について、リサーチレポートを発表した。
アメリカのユニコーン企業数が739社に対し、日本はわずか14社
2024年2月時点、世界のユニコーン企業の数を見ると、最も多いのはアメリカの739社であり、日本は世界で12番目の14社にとどまっている。
創業10年以内の企業の倒産率は、日本がアメリカの1.5倍
アメリカは、米国労働統計局データによると2013年から2023年の10年間で、創業から5年以内での倒産率は48％、創業から10年での倒産率は65％であった。一方、日本は、2017年の日経ビジネスの記事によると、創業から5年以内での倒産率は85％、創業から10年での倒産率は93.7％となっている。
アメリカでの倒産理由、約2割が人的要因
2024年のMr.Kotashev（フリーランスのコンテンツマーケティングコンサルタント兼スタートアップの創設者）による調査にて、アメリカで倒産したスタートアップの内、18％が人材不足による知識の欠如、モチベーションの低下といった人的要因によって倒産していることがわかったという。
日本のスタートアップの約65％が、人材面に不安を感じている
三井住友信託銀行「スタートアップサーベイ2023」によると、日本のスタートアップ528社の内、346社（65％）が人材面に不安を抱えていることがわかった。
アメリカでの採用支援の実態
Visibleの2022年ポートフォリオサポート調査では、VCが投資先企業から受ける支援の要望で最も多いのは、「人材の発掘と採用に対する支援」であると報告されている。
また、Paul Gompersら4名の大学教授による約900名のベンチャーキャピタリストを対象に行われたインタビューにて、VCはスタートアップに対し、58％が役員採用の支援、47％が従業員の採用支援を実施していることがわかった。
海外のVCの多く（a16z、Sequoia、Greylock、First Round Capitalなど）では、投資先企業に対する採用支援チームが在籍している。さらに、VCが独自の採用支援システムを提供している例として次のものがある。
- TxO（a16zの採用支援プログラム）：才能、意欲、アイデアはあるが、各種リソースが不足している創業者に対して資金の提供・ノウハウの共有・採用の支援等で支援するプログラム
- Sequoia Atlas（Sequoiaの採用支援ツール）：ヨーロッパのIT人材に特化した、オンライン人材発掘サイト。IT人材のスキルや属性別に都市ごとの分布を可視化し、採用に役立つ拠点選びを支援
- Sequoia Email（Sequoiaの採用支援ツール）：Sequoiaの人的リソースとMAツールを活用し、適格な候補者の選定から獲得まで代行するサービス
日本VCでの採用支援の実態
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Coral Capital
- 専任のタレントマネージャーの設置
- スタートアップ向け人材データベース「Coral Career」
- 毎年開催している「Startup Aquarium」の実施
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JAFCO
- 採用専門の支援チームの在籍
- 豊富な人材ネットワーク
- 人事制度設計や組織開発にまで踏み込んだ投資先のサポート
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ALL STAR SAAS FUND
- 採用支援チームの在籍
- SAAS TALENT NETWORK（自社でタレントプールを保有し、コミュニティを形成）
