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世界30ヵ国のCEO「従業員が慣れるよりも速く生成AI導入を促している」が半数以上──日本IBM調査

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 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、IBM Institute for Business Value(IBV)が実施した最新の調査であるCEOスタディ2024「CEOに立ちはだかる6つの真実 勇気と信念をもって前へ進むには」の日本語版を公開した。

 同調査は、日本を含む世界30ヵ国以上、26業種、3,000人の最高経営責任者(CEO)を対象としている。

 同調査によると、CEOの64%が、生成AIの成功はテクノロジーそのものよりも、人がテクノロジーをいかに受け入れるかにかかっていると回答した。しかし、回答者の61%(世界、日本ともに61%)は、一部の従業員が慣れるよりも速いペースで生成AIの導入を組織に促していると回答している。

 また、CEOの約3分の2(世界63%、日本66%)が、自社は生成AI導入のためのスキルと知識を備えていると回答したが、生成AIの導入が組織の従業員や文化に与える影響を理解しているCEOはほぼいないことも明らかになった。半数以上(世界56%、日本53%)は、生成AIが従業員に与える影響をまだ評価していない。

 しかし、CEOの半分以上(世界51%、日本55%)は、昨年は存在しなかった生成AI関連の職務のために採用を行っていると回答しており、世界、日本ともにCEOの47%は、生成AIの導入によって今後12ヵ月で従業員の削減や再配置を見込んでいる。

生成AI導入のプレッシャーで労働力が逼迫

  • CEOの約4割(世界40%、日本39%)は、生成AIのために従業員の追加雇用を計画
  • 一方、半数以上(世界53%、日本50%)は、既に重要な技術職の採用に苦戦していると回答
  • CEOは、今後3年間で従業員の3割以上(世界35%、日本36%)が再教育やリスキリングを必要とすると回答。2021年の割合はわずか6%であり、大幅に増加

CEOは、組織的な連携や採用の課題に直面している

  • CEOの6割以上(世界65%、日本66%)は、自社の成功は財務部門と技術部門間のコラボレーションの質に直結すると回答したが、半数近く(世界48%、日本41%)は経営層内の競争が協力関係を阻害する場合があると回答
  • CEOのほとんど(世界81%、日本79%)が、共通のビジョンをもってチームを鼓舞することがより良い結果を生むと回答。一方で、CEOの約4割(世界37%、日本43%)は、従業員は戦略的な意思決定が自身に与える影響を十分に理解していないことを認めている
  • CEOの約6割(世界57%、日本62%)は、データ駆動型組織になるためには、技術的な課題を克服することよりも文化的な変革が重要であることを認めている
  • CEOは、生成AIの導入が成功に不可欠であるとしているが、約3分の2(世界64%、日本70%)は、テクノロジーの進化に人が適応するよりも迅速に、組織がテクノロジーを活用しなければならないとしている

CEOは、急速なテクノロジー導入のメリットが潜在的リスクを上回ると回答

  • CEOの約3分の2(世界68%、日本58%)は、生成AIのガバナンス(安全対策や指針)は、ソリューションが実行された後ではなく、設計段階で確立されなければならないことに同意
  • CEOの約7割(世界75%、日本69%)は、組織における効果的なAIガバナンスなしには信頼できるAIは不可能であると述べているが、現在、優れた生成AIガバナンスを導入していると回答したのは4割未満(世界39%、日本37%)
  • 同時に、CEOの約6割(世界62%、日本64%)は、競争力を維持するために競合他社よりも多くのリスクを取ると答えており、半数(世界51%、日本56%)は、後れを取るリスクが、価値を明確に理解する前に一部のテクノロジーに投資する原動力になっていることに同意
  • CEOの6割以上(世界67%、日本66%)は、自動化による生産性向上は大きいため、競争力を維持するためには大きなリスクを受け入れなければならないと回答
  • 現在、CEOの約3割(世界24%、日本33%)は投資していない。半分近く(世界47%、日本48%)は生成AIの試験運用と実験にとどまっているが、世界のCEOの49%、日本のCEOの38%は2026年までに成長と拡大を推進することを期待
  • 2026年には、世界のCEOの49%が成長と拡大のために生成AIへの投資をすると考えている一方、日本においては38%にとどまる

製品・サービス革新は最優先課題だが、短期目標への集中が長期的な成長を妨げている可能性も

  • 今後3年間の最優先課題として、製品・サービスのイノベーションを挙げた割合が最も高く(世界37%、日本40%)、2023年の6位から上昇。日本のCEOの38%はビジネス・モデルのイノベーションを2番目の優先課題として挙げたのに対し、世界のCEOは28%で8番目となっている
  • CEOの約4割(世界41%、日本37%)は、より大きなイノベーションのためなら経営効率を犠牲にしても構わないと回答
  • 一方で、イノベーションを妨げる最大の障壁として、CEOの4割以上(世界44%、日本47%)は、短期的なパフォーマンス重視の姿勢を指摘。日本のCEOは明確なイノベーション戦略の欠如を挙げた割合が最も高かった(48%)
  • 現在、CEOのうち、生成AIへの投資資金を主に新規IT支出で賄っているのはわずか4割(世界36%、日本40%)で、残りの約6割(世界64%、日本60%)はその他のテクノロジー支出を削減している
     

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