イトーキは、2023年1月にIoTプラットフォームを提供する「ifLinkオープンコミュニティ」のプレミアム会員に入会し、今回、個社プロジェクト「ビストロifLink」の活動報告を発表した。
2023年の主な活動として、ビストロifLinkを同社のリードで始動。「働く」におけるオフィスでの「休憩」をIoTでアップデートすることを目的に、コミュニティ内で同社以外のメンバーも有志で募り、2つの共創プロジェクトを立ち上げ、アイデアを具現化するプロトタイプを制作した。プロジェクトの詳細は次のとおり。
共創プロジェクト1:休憩と人のマッチング
1つ目のプロジェクトは「休憩中に広げるコミュニケーションの輪~共通の趣味友を見つけよう~」をコンセプトに、「休憩の質向上」をテーマに設定。IoTで休憩と人のマッチングを目指し、たとえば、社内ネットワークの構築に課題をもつオフィスワーカーが、他部署のメンバーと休憩中に気軽に雑談できる仕掛けづくりを目指した。具体的には、雑談の話題を提供するプロトタイプのギミック「HITO-YASUMIC KUTSUROPYON(仮)」を制作したという。
ギミックの利用イメージ
- 休憩エリアのコーヒーマシーンの横にギミックを設置
- コーヒーが出来上がる間にマシーンを作動すると、雑談テーマが記載されたシールが発行
- 購入したコーヒーのカップに貼付
- 周囲で雑談シールを貼付したカップを利用している人同士で声を掛け合い、雑談がスタート
同ギミックにより、雑談希望のオフィスワーカーのマッチングが成立し、会話の突破口となるテーマ提供もあることから、充実した休憩時間の共有が実現するという。完成報告会では「スムーズに雑談が生まれるきっかけになる」「アンケート的な要素を踏まえた利用ができる」などの感想を得られたとのことだ。
共創プロジェクト2:休憩の取りづらさを解消する
2つ目のプロジェクトは「定期的に息抜きをして、脳も身体もリフレッシュ~休憩を時間割化しよう~」をコンセプトに、「休憩を促す」をテーマに設定。休憩の取りづらさや疲れ度合いをインパクトのあるガジェットで可視化し、問題解決につなげることを目指している。具体的には、疲労度が高まると休憩が促されるプロトタイプのガジェット「りふれっしゅふらわあ(仮)」を制作した。
ガジェットの利用イメージ
- 会議室のテーブルに設置する
- ガジェットに飲み物を、会議参加者の人数分設置する
- 重量センサーによって飲み物の減り具合を感知
- 飲み物の減り具合が一定のレベルを超えると、花が動き、香りを発生させ休憩を促す
生産性向上のため、適度な休憩は必要だと認識する一方、現実と理想にギャップがあることがコミュニティでの事前アンケートで判明し、完成報告会では「改めて、適度な休憩の必要性を感じる」などの意見が出されたという。
今回の2つのプロジェクトは、2023年内にプロトタイプまでの制作をゴールとした。参加した社内メンバーからは「アイデアをコラボレーションで実現する楽しさと難しさを学べた」「通常の開発業務のヒントになった」といったコメントが寄せられたという。
同社は、2024年もifLinkオープンコミュニティの会員を継続するとのことだ。
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