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アイデア選択は「イノベーションの選択」

第16回

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実現性ではなく「イノベーションの可能性」

 解決すべき課題に対して多くのアイデアを出したあとは、イノベーションの可能性が高いアイデアを選んでいく。アイデア出しでは評価・判断を避けていたが、この段階からアイデアを積極的に評価する。ここでの目的は、「プロトタイプをつくるために、解決策のコンセプトを定めること」にある。

 アイデア選択でよくある間違いは、オペレーティブな通常業務に求められる基準のみで、アイデアを選択してしまうことだ。すると、典型的にはこんな発言が出てくる。「そのアイデアは厳しいな。今ある自社のリソース(人や技術)では実現できるかどうか怪しい。やめておくのが懸命だ」

 このような考えでアイデアを選んでいくとどうなるだろう?毒にも薬にもならない平凡なアイデアを残すだけに終わる。「観察やインタビューをしてインサイトを探求した。そして、日常の延長ですぐに思いつくようなアイデアが採用された」。これでは時間をかける意味がない。アイデア選択の段階で、実現性だけで判断を下してしまうと、これまでのプロセスが無駄になる。

 アイデア選択で守るべきは「イノベーションの可能性があるものを選ぶ」という原則だ。以前の記事でも記したように、イノベーション実現には多様性が欠かせない。単一な視点しか含まれないアイデアは、イノベーションの可能性が低い。逆に、アイデアに多様な視点が含まれていれば、イノベーションの可能性があるといえる。

 まずは、多様な視点が含まれた可能性のあるアイデアを選ぶ。そして、次のステップでプロトタイプをつくり、その過程の中で試行錯誤しながら可能性を発展させる。アイデアが形になりそうかどうかの判断は、プロトタイプを作ってテストをしながら行うようにしよう。

 次のページでは、具体的にどのような視点を含めるべきかについて例を紹介したい。

次のページ
インサイトの探求を無駄にしない「3つの視点」

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この記事の著者

柏野 尊徳(カシノ タカノリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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