BtoB向け請求書カード払いサービスの伸びが見込まれる分野
──「弥生 請求書カード払い」を利用されている企業の業種などに特徴はありますか。
内山:弊社のお客さまは中小企業や個人事業主の方が多いのですが、その中でも仕入れが発生する業種、例えば飲食、物販系など幅広くご利用されております。
──それらのお客さまにおいて、資金繰りや支払い手続きの煩雑さが解消されるというメリットは大きいですね。百合川さんは、「弥生 請求書カード払い」の特徴は何だと思われますか。
百合川:弥生さまは「弥生シリーズ」を通じて豊富な顧客基盤をお持ちであることや、サービス運営を支える質の高いカスタマーサポートの基盤などに強みをお持ちです。
また、特に弥生さまの強みだと感じたのは、会計事務所や税理士事務所とのネットワークです。私自身ユーザーインタビューをして感じたのは、スモールビジネスや個人事業主における、士業の方々とのオフラインでのネットワークの重要性でした。
このような強みを活かし、中小企業の課題について非常に解像度高く理解されていることが、最大の特徴となっているのではないでしょうか。そんな弥生さまが請求書カード払いのサービスを出されたということに、意味があると思います。
この秋には、預金や振込といった銀行機能を備えた「弥生Bank」のサービスを開始予定であることも発表[2]されました。従来の会計や請求、今回のカード払いの機能に「弥生Bank」も加わると、FinTechサービスをトータルで提供できるようになるので、より差別化につながると考えています。
──FinTechサービスの全体構想のひとつに「弥生 請求書カード払い」があるわけですね。利用者の拡大に向けては、どのような動きをされていくのでしょうか。
内山:Misocaで発行された請求書を受け取った方へのプロモーションには力を入れているところです。今後は業種や企業を絞り込んで、個別のプロモーションをしていこうかと考えております。また、まだ弊社のプロダクトをお使いでない新規のお客さまの獲得にもチャレンジしていきたいところです。
──最後に百合川さんから、他の「Winvoice」の導入事例や、今後力を入れていきたい分野などをお聞かせください。
百合川:Winvoiceは2024年4月に本格リリースをして以降、リリース予定先含め20社ほどの導入事例があります。弥生さまのようなSaaS系の企業や銀行・カード会社などの金融機関の他に、サプライチェーン全体を管理する商社・卸など、大きく3つのカテゴリーで導入が進んでいます。
SaaS系の場合、弥生さまのような業界などを問わない汎用性の高い「ホリゾンタルSaaS」では、請求書の受領・発行からカード決済での支払までワンストップで提供したいという企業さまからのご相談が増えています。今後は業界特化型の「バーティカルSaaS」への決済機能の組み込みも進んでいくと考えられるので、弊社でも力をいれていくところです。
金融系は、カード会社が自社のカード会員向けに「Winvoice」の請求書カード払いの機能を提供する事例が増えています。カード会社の狙いとしては、カードの取扱高を増やすこと、カード払いによる業務効率化やDXなどを価値提供の柱とするために、推進を加速されているのだと見ています。
銀行系に関しては、中小企業が顧客基盤となっている地銀さまや信金さまなどが、決済・支払い業務のキャッシュレス化やDXをソリューションのひとつとして提案することが増加していくと考えています。このあたりでも「Winvoice」を活用した請求書カード払いをご提案していきたいと考えています。
最後にお伝えしたいことは、現在のWinvoiceの「請求書カード払いプラットフォーム」は入り口に過ぎないということです。今後は、法人BNPL(法人向け後払いシステム)や銀行振込、AIエージェント向け決済・請求API提供などの支払基盤を拡充し、企業の支払いを一元化する「支払DXプラットフォーム」を目指しています。 また、FinTechイネーブラーとしての強みを活かし、多様な請求・支払データを集約することで、AIを活用した不正利用検知や財務アドバイザリーなどのレコメンデーションの精度向上などを実現していきたいと思っております。

[2]弥生株式会社『弥生、GMOあおぞらネット銀行のBaaSを活用した「弥生Bank」今秋提供に向け両社で検討を開始』(プレスリリース、2025年1月22日)
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