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79%が今後1年半以内に「3件以上のダイベストメントを予定している」──デロイト トーマツ調査

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 デロイト トーマツ グループは、企業のM&Aおよびリストラクチャリングリーダーを対象とした「ダイベストメントに関する調査レポート」の日本語版を公開した。

 ダイベストメントとは、会社の株式を売却するシンプルな取引ではなく、会社の中の事業の一部や子会社を分離または切り出して(Separation)、売却(Divestment)する取引などを指す。

 M&Aの手法の1つとして取り扱われることが多いが、事業の分離をともなう取引は、財務・税務・法務・オペレーション・人事・ITをはじめとした広範な分野において、分離を実行するための多くの判断や意思決定、ステークホルダーとの調整、合意形成などが必要となる。また、契約締結に必要となる契約書類も多岐にわたることから、より複雑な取引だという。

 同レポートにおいて、セルサイド(売り手)の活動を計画していない企業は2%を下回り、79%が今後1年半以内に3件以上のダイベストメントを予定していると回答したことから、取引が増加する可能性が高いことが示されている。

 また、売り手の約半数が「ダイベストメントを決定してから契約締結までの期間が約7~12ヵ月」と回答しているが、取引対象となる事業範囲・地域等が広範に及ぶ場合には、契約締結後の実際の分離・切り離し実務にさらに時間を要することがあるという。

 一般的なM&Aと比較して、期間の長さが事業売却の特徴の1つで、実務上においても複雑となる要素を多分に含むとしている。

 さらに、98%のビジネスリーダーが過去12〜18ヵ月間に売却を断念していた。売り手の企業はダイベストメントを行うための準備が重要であり、対応が不十分であったり、拙速にダイベストメントを実施したりすると、対象事業がもつ本来の価値を棄損してしまう事にもなるという。

 一方で、ダイベストメントの可能性について戦略的に各事業の評価を実施している企業においては、予想を超える取引金額を実現できる傾向が多く見られた。

 同レポートにて、ダイベストメントを進めるにあたって示した5つの重点事項は次のとおり。

  1. ポートフォリオの見直しとダイベストメントへの準備を早めに行う:頻繁に自社のポートフォリオを見直して、理解に努める。常に将来の事業売却を組み立てるための有利な方法を、先を読んで考える
  2. 取引に関係する社内のステークホルダーの一体化と調整を行う:効率的にプロセスを実行するための準備が開始前に整っているよう、取引に関係する社内のステークホルダー間の調整を適切に行う
  3. 分離コストと期待を管理する:問題事項や、分離に関する活動でリードタイムが長いものを事前に理解し、ディールの最中に時間に追われて行うのではなく、前もって解決方法を検討しておくことで、取引コストを管理する
  4. テクノロジーを積極的に利用する:テクノロジーによって取引の計画や実行を強化できる方法を積極的に模索する
  5. 真の価値創造の可能性を求める:事業を分離することですべてが片付くと思い込まない。組織を拡充するためのより強固な道筋を立てるチャンスとして、ダイベストメントを活用する

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