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ギックスが提唱する、ヒト中心の「データインフォームド」──ゾクセイによる顧客理解と体験設計とは?

登壇者:株式会社ギックス 執行役員 事業構想ディレクター 加部東 大悟氏

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データを踏まえて人間が判断する「データインフォームド」な意思決定

 まず、加部東氏はデータインフォームド・アプローチの本質を「データインフォームド・ディシジョン・メイキング」(データに基づく意思決定)と説明する。従来の「勘、経験、度胸(KKD)」に依存する意思決定とは異なり、データから得られる洞察に基づき、新たな発見や視点を得て、それらを軸に意思決定をすることが重要なのだと強調する。同氏はKKDの価値を認めつつも、データの活用によって新たな視点や洞察が可能になるうえ、ベテランだけでなく、新人にも効果的な意思決定が可能になると話す。

 また同氏は、データインフォームドとデータドリブンの違いについても触れる。データドリブンがすべての意思決定をデータに委ねるのに対し、データインフォームドでは、データは人間の判断を補完する役割に留まると説明。時にはデータを踏まえたうえで、人が「敢えてずらす」判断も求められると指摘した。

 同様に、今年の春に行われた「GiXoデータインフォームド・サミット」では、セイタロウデザインの山崎晴太郎氏も「人間が不在のデータ分析をするのではなく、データと人間の曖昧さを等価に捉えることが重要」「データドリブンは、人間を取りこぼす可能性があるが、データインフォームドなアプローチは人間を取り戻す」と述べている[1]

 加えて、加部東氏は「生成AIが普及する現代でも、人間の知恵や判断力が不可欠であり、データと人間の知見が組み合わさってこそ最良の結果が生まれる」とも語る。むしろ、重要なのは、生成AIのアウトプットを、人間にとってのインプットとして捉える姿勢だと説く。

画像を説明するテキストなくても可
資料提供:株式会社ギックス/クリックすると拡大します

 ギックスは顧客の行動データや購買データの収集・分析を通じて消費者心理を深く理解することを目指している。データを通じたデザイン的思考がそこにはある。感情や行動を消費者目線で見るためにデータを活用しているのだ。加部東氏は、自分自身が消費者としてどう考えるか、という主観的な視点と同時に、データを通じて顧客がどのように考え、行動するかを客観的に探るアプローチを取ることが重要だと述べる。

 さらにギックスではあらゆる粒度と種類のデータを収集、分析することで、顧客の行動パターンを抽出している。加部東氏は、「全体の数字を見るに留まらず、個別具体的なデータをチームで共有し活用することで、データに基づく意思決定の精度が高まる」と語る。


[1]雨宮進『「過去を分析するデータ」と「未来を描くデザイン」──ヒトを中心に据え、データとデザインを経営に活かす』(Biz/Zine)

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この記事の著者

雨宮 進(アメミヤ ススム)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社ギックス

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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