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世界のIPO市場、24年3Qにおいて回復の兆候を示す 件数減少の一方、ローンチが上回る──EY調査

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 EYは、2024年第3四半期(以下、3Q)のIPOに関する調査結果を発表した。

 世界的経済が減速し、市場の変動性、地政学的な変化や金融緩和の中、3Qにおける世界のIPO市場は慎重な楽観主義の兆候を示している。

 前年同期比では、IPO件数が14%減少し310件に、調達額は35%減少で249億米ドルとなったものの、IPOのローンチに関しては3Qは控えめながら2024年1Qおよび2Qを上回る結果となった。

 3QのIPO活動は、世界的な金利緩和サイクルの開始を特徴とする複雑な経済的および地政学的状況を乗り越え、市場変動の高まりに対処した。

 これらの困難にもかかわらず、Americas(北米・中米・南米)およびEMEIA(欧州・中東・インド・アフリカ)は2024年第1~第3四半期で回復力を示し、EMEIAのIPO調達額は前年同期比で45%も増加し、世界市場の全体的な低迷を和らげたという。

 近年、プライベートエクイティ(PE)およびベンチャーキャピタル(VC)による出口活動が持続的に低下していることから、収益化の準備をしているポートフォリオ企業が増加。

 現在の評価水準が、成熟した高価値のポートフォリオ企業の公開市場への投入にとって有利になるにつれて、PEが支援するメガIPOやVCが支援するユニコーン企業の復活が具体化しているという。

 2024年初めから9ヵ月間において、世界のIPOのトップ10のうち6件がPEおよびVCが支援するIPOであり、世界のIPOの調達額の3分の1以上を占めている。Americasにおいては、これらのIPOが資金調達総額の52%を占め、現在のIPOの状況から脱したいPEおよびVE企業の強い意欲を明確に示してるという。

 クロスボーダー上場においても著しい上昇があった。本年初めから9ヵ月間で77社が国外での上場を選択し、これは、前年同期の64社と比べて20%増加。2023年から米国の証券取引所におけるIPOのおよそ52%を外国の発行者が占めており、20年ぶりの最高値となった。

 同時に、米国と中国間の株価実績は対照的で、2国間の市場価値の差異は3Qに過去最高を記録したという。

Asia-Pacificが安定する中、AmericasおよびEMEIAは回復

 上半期におけるAsia-PacificのIPOの休止に起因する世界的な公募の減少にもかかわらず、2024年現時点までにAmericasおよびEMEIAは取引件数と調達額の両方で前年同期比で2桁成長を見せた。

 米国およびインドのIPO活動は、一般的には静かな四半期にも、著しく高い水準を維持。インドは3Qに100件以上のIPOを開始し、過去20年にわたる四半期の中で公募が最高水準を記録した。

 Asia-Pacificは、3Qに顕著に好転。以前の活動の減速を乗り越えることで、当該地域は世界のIPO件数において前四半期比で11%の増加に貢献した。中国本土、インドネシア、マレーシアおよび韓国における活動の増加を特徴とするこの回復は、不確実性が高まる時期に世界市場に自信を与えたという。

AI企業が投資家の関心を引く

 過去2年間にわたり、毎年60社以上のAI企業が上場し、そのうちおよそ半数が利益を上げている。現在、およそ50社のAI企業が上場申請中であり、AI主導のイノベーションに対する投資家の持続的な関心を示しているという。

2024年第4四半期の見通し

 2024年の残る期間のIPO市場は、中央銀行の政策、地政学的発展および重要な選挙の結果などの影響を受けるものと予想される。楽観主義が低金利とインフレの緩和によって加速し、新規上場や借り入れコストに敏感なセクターの活動再開を促進する見込みだという。

 米国、欧州およびインドなどの主要市場における好調な業績が、IPO活動を後押しすることが期待されている。

 クロスボーダー上場の成功は今後続くことが見込まれ、特に重要な株式市場へのデビュー(特にPE企業によって支援され、スピンオフやカーブアウトからのデビュー)は企業が有利な上場機会を求める中で今後が期待されているとのことだ。

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