日本電気(以下、NEC)は、図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を一元管理するPLMソフトウェア「Obbligato(オブリガート)」に、生成AIとの連携機能を搭載した「Obbligato R3.6」を2025年4月より提供開始すると発表した。
Obbligato R3.6の機能強化ポイントは次のとおり。
①生成AI連携により技術ドキュメントを効率的・高精度に検索
ObbligatoとLLM(大規模言語モデル)の連携により、過去の製品開発を通じて蓄積された技術ドキュメントをLLMが効率的かつ高精度に検索し、設計者の質問に的確な回答を提示。AIが人の相談相手となり、対話形式であいまいな情報から適切な情報にたどり着き、設計業務における必要な情報の探索時間を短縮し、本来の設計業務や設計検討に時間を使うことが可能になるという。また、連携するLLMは、高速で高い日本語性能を有するNEC開発のLLM「cotomi」と、Microsoft Azure OpenAI Serviceの「GPT」モデルから選択できる。
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必要文書検索の例:
- 製品設計時に考慮すべき事項をAIに問い合わせると、AIが過去製品の設計書を元に、考慮事項を列挙する
- 実施したい試験を行うための装置の利用方法をAIに問い合わせると、AIが装置マニュアルから必要箇所を抽出して提示する
②3Dデータ管理のマルチCADおよび3Dビューに対応
3DCADデータ管理については、設計者の利便性と、全社レベルでのデータ利活用や運用面の効率化という観点から、設計中のデータはCADデータ管理用PDM、全社で共有すべき情報は全社PLM「Obbligato」に分けて管理し、PDMとObbligatoを連携した運用を推奨している。
CAD用PDM連携コネクタとして標準サポートしているSOLIDWORKS PDMに加えて、PLMジャパンの「PLMconsole xCAD」(以下、xCAD)を標準サポートする。マルチCADデータPDM xCADは、CATIA V5、NX、Creo Parametric、SOLIDWORKS、Autodesk Inventor / AutoCAD、iCAD SXに対応し、マルチCADデータ管理が可能。xCADとObbligatoの連携により、CAD〜PLM〜関連システムを連携することで、エンジニアリングチェーンの分断で起きていたタイムロスや伝達ミスを削減し、製品のタイムリーな市場投入を実現するという。
さらに、3Dデータ活用の支援機能として、BOMと3D Viewを連動して双方向のハイライト表示が可能に。これにより3Dイメージの閲覧性を向上し、設計部門の他、生産技術や製造などもの作りに関わるあらゆる部門の業務効率化や品質向上に寄与するという。
また、複数の3DCADの管理やBOMと3Dモデルとを連動したビューイング機能により、取引先OEMメーカーごとに異なるCADを扱う自動車部品業などでの利用を促進するとしている。
③統合BOMのさらなる機能強化による生産性の向上
設計変更の生産BOM自動反映機能により、設計部門での設計BOMの変更を、製造部門が作成する生産BOMに対して、品目情報および構成情報の変更が自動反映されるようになる。また、変更情報適用時の生産BOMの状態によっては、品目情報のみを自動反映し、それ以外はアラート表示させるなど、複雑な運用を考慮しているという。
同機能は、Obbligatoの統合BOM機能(用途別BOMの統合管理)を活用しているさまざまな顧客の導入ノウハウから標準機能としてリリース。BOM自動反映による設計部門と生産部門の連携効率化および品質向上を実現するとしている。
販売価格・提供開始時期
- 製品名:生成AI連携オプション
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月額利用料:10万円~(税別)/月
- トークン数に応じて月額利用料が変更となる
- 提供開始時期:2025年4月
NECは今後、3年間で100社への販売を目標にすると述べている。
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