企業変革のジレンマを引き起こす、両立しづらい“2つの世界”
組織の「構造的無能化」が問題になるときに出てくる意見として、「横串を通さなければ」というものがある。このとき、横串が通らない理由を個人の意思や意識の問題とするのではなく、構造的な問題と捉えて解決方法を考えていくべきだというのが、宇田川氏の考え方だ。
例えばA事業部とC事業部で連携して新規事業に取り組もうとしているとき、C事業部の役員が「自分は聞いてない」といって止めるのは、その役員の能力に問題があるからではない。彼にはC事業部の予算達成の責任があり、新規事業という不確実なものに工数を取られると会社に対する責任が果たせないかもしれないというジレンマがあるのだ。