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経営アジェンダに直結したプロジェクトを成功に導く「6つのP」──人と組織の不確実性に対処するには?

登壇者:株式会社SAKUSEN TOKYO 代表取締役CEO 堀昌之氏

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プロジェクトマネジメントの「マネジメント対象」は何か 

「人的資本経営が必須となる時代に突入し、経営アジェンダに関わるプロジェクトが増えつつあります。そうしたプロジェクトは複雑な要素が絡むため、得てして“失敗の火種”を抱えています。では、どうすれば“失敗の火種”を消化し、プロジェクトの成功確度を上げることができるのでしょうか」

 冒頭、堀氏はそう問題提起し、講演の口火を切った。近年、人的資本経営に注目が集まり、「人」の価値を最大限に引き出すことで企業価値の向上を目指す取り組みが急増している。経営における「人」の定義が様変わりしたことにより、プロジェクトの形式や目的にも変化が現れているのだ。

 事実、近年は部門横断型の新規事業プロジェクトや企業カルチャー創造プロジェクトなど、経営アジェンダに直結したプロジェクトに取り組む企業が多い。こうしたプロジェクトは既存の組織や事業の枠組みを超えて行われるため、従来よりも多くの不確実性をはらみ、必然的に失敗の確率が高まってしまう。加えて、「VUCAの時代」と呼ばれる通り、外部環境でも不確実性や変動性は急速に高まっている。こうした中で、プロジェクトマネジメントにも、新たな時代に適応した形が求められている。

 堀氏が代表取締役CEOを務める株式会社SAKUSEN TOKYOは、2014年の創業以来、大企業を中心に500以上のプロジェクトを手がけてきた。同社が掲げるのは“innovation PMO team.”。企業の変革や難題解決に「外部のプロフェッショナルなプロジェクトマネジメントチーム」という立場で貢献してきた。そうした豊富な経験と知識をもとに、堀氏は「人的資本経営時代には、プロジェクトマネジメントの本質を正しく捉えることが重要です」と提言する。

 堀氏はプロジェクトマネジメント協会が発行する『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK)』から、「独自のプロダクト、サービス、諸案を創造するために、実施される有期性の業務である」というプロジェクトの定義を紹介した。

「ここでの重要なポイントが独自性と有期性です。つまり、プロジェクトは、市場で勝てる成果物を生み出すために独自性を備えていなければならず、明確な納期も設定されていなければいけません。これに加えて、最近では経営アジェンダに関わる複雑性の高いプロジェクトも増えてきました。

こうした中で、プロジェクトマネジメントのマネジメント対象とは何でしょうか。私は不確実性だと考えています。独自性、有期性、その他さまざまな制限の中で不可避的に発生する不確実性をコントロールし、インシデントに対してプロセスを絶えずチューニングし続けるのが、プロジェクトマネジメントの本質なのです」

6P elements
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 堀氏は、「私はプロジェクトでインシデントが発生すると、クライアントに『よかったですね。インシデントが発生するのはプロジェクトが前進しているからです』と伝えています」と話し、会場の笑いを誘った。

 ただ、これは単なる笑い話ではない。プロセスの進行や管理に留まらず、想定外のインシデントに対応し、プロジェクトのゴールへの道筋を絶えず切り開いていくのが、プロジェクトマネジメントの本質だから、インシデントの発生を前進と捉えることは決して間違ってはいない。

堀昌之
株式会社SAKUSEN TOKYO 代表取締役CEO 堀昌之氏

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プロジェクトにおける「人」の不確実性をコントロールするには

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この記事の著者

島袋 龍太(シマブクロ リュウタ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社SAKUSEN TOKYO

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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