帝国データバンクは、企業の将来を担う「リーダー人材」(管理職相当以上)の不足感について調査を実施した。
「リーダー人材」の不足、企業の67.8%が実感
リーダー人材の不足感について質問したところ、企業の67.8%が不足を実感していた。2025年2月時点で、正社員の人手不足を感じている企業の割合は53.0%に上り、月次統計としてさかのぼれる2007年以降において、過去最高水準で推移している。
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課題の1つは、現リーダー層による次のリーダー人材の育成だという。企業からは、「人員が少ないと優秀な人材はリーダーになる前に実務をこなす能力が高くなってしまい、管理職になっても自分が動かなくてはならず、次のリーダー育成まで行き届かない」(機械工具卸売、三重県)や、「現リーダー層もプレイングマネージャーで、自身の業務と中途採用者や部下の育成・勤怠管理などに追われ、リーダーに必要なノウハウを養う育成時間が取れない」(調味料製造、愛媛県)といった育成に必要な時間確保に関する難しさが数多く上げられた。加えて、「過去の採用抑制によって、育成の前にそもそものリーダー人材不足が最も深刻な課題」(石油化学製品製造、東京都)といった声も寄せられたという。
リーダー人材を育成する中で、「リーダー職への意欲」不足が課題
リーダー人材の不足を「感じている」企業に対して、育成するうえでの課題を聞いたところ、「リーダー職への意欲」が足りないという回答が59.8%で最も高かった。次いで、「リーダーシップ」が57.5%、「部下の育成能力」が55.6%と続き、個人のパフォーマンスだけでなく組織力の向上に求められる力に関しても、半数以上の企業が課題として上げる結果となった。
企業からは「30代以下の社員の中には、責任のある立場になりたくないという人も増えており、どのように意欲を持たせたらいいのか」(一般管工事、沖縄県)といった切実な声が寄せられたという。
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調査概要
- 調査期間:2025年2月14〜28日
- 調査対象:全国2万6815社
- 有効回答企業:1万835社
- 回答率:40.4%
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