富士通は、「ジョブ型人材マネジメント」の採用方針について、新卒採用・キャリア採用の区分にこだわらず、必要な職務を担う人材を、計画数を定めずに通年でフレキシブルに採用していくと発表した。
同社は、2020年より段階的にジョブ型人材マネジメントの導入を開始。報酬については、2023年に全社員を対象として年収を平均約7%、最大24%引き上げ、ジョブレベルに応じてグローバルにマーケット競争力のある報酬水準へと底上げを実施したという。事業部長クラスは年収約2000万〜3000万、課長クラスは年収約1200万〜1300万円、リーダークラスは年収約1000万円以上になるとしている。
そのうえで、2024年には、2026年度以降の新卒入社者もジョブ型人材マネジメントの考え方に基づき、学部卒や修士卒といった学歴別の一律初任給ではなく、ジョブレベルに応じた処遇へ切り替えることを発表。ジョブレベルに紐づいて、大半の新卒入社者は年収約550万〜700万円となる見込みで、高度な専門性を有しさらに高いジョブを担う人材は年収約1000万円になることもあるとしている。
また、新卒入社者に対してジョブ型人材マネジメントの考え方を適用していくためには、従来のように毎年計画数を定めて一斉のタイミングや一律のレベルで採用するという考え方を改める必要があり、あらかじめ計画数を定めずに必要な職務を担う人材を通年でフレキシブルに採用していくことにしたという。
そのために、以前から受け入れていた研究開発職はもとより、ソリューションエンジニアやセールスなどビジネス部門で幅広い職種を対象に、入社前に1〜6ヵ月にわたり各現場へ入り込んでより実践的な業務に挑戦できる有償インターンシップの機会を増加。ビジネスやデジタルツール活用などの基礎スキルの習得などに役立ててもらうとともに、同社と学生の双方が入社後の働く姿をイメージできる機会を創出するとのことだ。
また、他社インターンシップ経験や起業などの実ビジネス経験、研究活動による高度な専門性なども加味し、即戦力性の高い人材として採用を行っていくという。なお、以前からジョブ型人材マネジメントの考え方を適用しているキャリア人材の採用においては、ビジネス拡大やテクノロジー開発をリードできるような優れた経験を積んだ人材について、管理職やリーダークラスでの採用を強化していくと同社は述べている。
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