クニエは、企業の「調達領域におけるサステナビリティ調査」を行い、レポートを公開した。
同調査は、調達サステナビリティに対する企業の取り組み状況や課題の把握を目的としたもので、①Scope3GHG(温室効果ガス)排出量削減、②人権デュー・デリジェンス(以下、人権DD)をテーマにした2部構成となっている。
➀Scope3 GHG排出量削減
調達部門が管理すべきGHG排出量Scope3上流のうち、カテゴリー1(購入した製品・サービス)を対象にGHG排出量削減の進め方4ステップに基づき調査を実施。対象については次図のとおり。
![[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11374/1.jpg)
![[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11374/2.jpg)
サプライヤーGHG排出量の可視化範囲
サプライヤーGHG排出量について、70%の企業が取引量の多い一次サプライヤーまで可視化しているが、それ以外の一次サプライヤー、および二次サプライヤー以降を可視化している企業はまだ少数にとどまる。なお、業種別で見ると「自動車・輸送機器」「食品・医薬・化粧品」業種では、二次サプライヤー以降も把握している企業が多い傾向にあった。
![[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11374/3.jpg)
サプライヤーGHG排出量の算出方法(全体)
50%の企業がサプライヤーに算出方法を任せていると回答している一方で、39%の企業がカーボンフットプリントの算出方式を適用して精緻な算出を行っているなど、企業により算出方法にバラつきが見られた。
![[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11374/4.jpg)
②人権DD
サプライヤーへの人権DD実施率
87%の企業で一次サプライヤーへの人権DDを実施しており、実施企業数は増加した。一方、実施範囲については、二次サプライヤー以降まで実施できているのは国内サプライヤーであっても32%にとどまった。
![[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11374/5.jpg)
日々の調達活動に対する人権DD結果の反映
全体の88.1%の企業が、人権DDの結果を日々の調達活動に活用・反映(11.9%の企業は調達活動に活用していない)。また、45%の企業が人権DD結果の悪い、または非協力的なサプライヤーとの取引を縮小するなど、踏み込んだ活動を行っていた。
![[画像クリックで拡大]](http://bz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/11374/6.jpg)
調査概要
-
目的:
- Scope3 GHG排出量削減: Scope3 GHG排出量可視化・削減の取り組みにおいて、 「GHG排出量算定・検証」 「目標設定」「削減施策実行」「サプライヤーとの取引への反映」に関する取り組み状況と課題の把握
- 人権DD:日本企業におけるサプライヤーの人権DDの実施状況、調達業務への活用状況の調査と、サプライヤーの人権DD実施や調達業務への活用に関する課題の把握
- 手法:Web調査
- 対象:1,000人以上の企業における調達サステナビリティ担当者
- 調査期間:2024年11月28日~12月4日
-
回答社数:➀Scope3 GHG排出量削減:190社/②人権DD:249社
- 個人IDの回答を1企業としてカウント。調査対象者に同一企業に所属する回答者が複数存在した場合であっても複数企業としてカウントし、企業の重複は考慮せず
【関連記事】
・良品計画、「MUJI REPORT 2024」を発行 GHG排出量の算定・削減など事業戦略を紹介
・日立、住友化学の千葉工場にて、AIを活用した生産計画とエネルギーマネジメントシステムの検証を開始
・東京建物、仙台市に環境配慮型物流施設「T-LOGI」シリーズ着工 首都圏配送の中継拠点としても機能