新たなる経営管理へのチャレンジ
ここまでで紹介した構造を踏まえつつ、これらの要素を実際の経営管理プロセスにどのように組み込んでいるのか、先進企業の事例を通じてご紹介します。
1つ目は、事業別の「競争力の源泉」を把握したKPI再考を進めている事例です。たとえば、業界問わず多くの企業が「モノからコトへ」「体験価値の重視」といった事業転換を掲げていますが、その実現のためには従来とは異なるケイパビリティの強化や資本の増強・配分や事業活動上重視すべきKAI(Key Action Indicator)が適切に設定されるべきです。しかし、具体的にどのようにシフトしていくべきかが不明瞭なままという企業も少なくありません。こうした課題に対し、冒頭でご紹介したサイクルを実現させ、企業価値向上までの流れを事業ごとに整理し、KPIの再考を進めた事例があります。この事例の成功ポイントは主に3つありました。