企業価値向上に向けたマネジメントサイクル
改めて企業価値向上に向けた経営管理のポイントを振り返ると、企業価値向上には、
- メリハリ投資を行い
- 競争力と収益力をマネジメントし
- ステークホルダーの共感を得る
というサイクルを回し続けることが肝要と考えます。

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1つ目の「メリハリ投資」とは、事業ポートフォリオに即した「新たな成長の芽」および「競争力の獲得」に向けて、適切な箇所に適切な量の投資(人財/デジタル/研究開発など無形資産向上を含めた)を行うことを指しており、将来の事業拡大や収益力向上を目的にしたものと捉えます。
2つ目の「競争力と収益力のマネジメント」とは、競争力を向上させ得る価値創出ドライバーを特定し、重点的に管理していくこと、さらに収益力や資本効率を意識したマネジメントを行うことで投資余力を生み出すことを指します。
3つ目の「ステークホルダーの共感」とは、パーパスやビジョンの解像度を上げ、成長に向けた価値創造のストーリーをわかりやすく伝えることで、ステークホルダーの共感を呼ぶことです。これにより、新たなヒト・モノ・カネといった経営資源を獲得することを指しています。
これらの要素を踏まえたサイクルを回転させ続けることで、どのような時間軸でも企業価値を高めていくことができると考えます。
この構造をより詳細化したものが、第1回「なぜ非財務資本が企業価値を左右するのか──事業戦略と投資家をつなぐ“カギ”とは」でも触れた以下の図です。

事業別にケイパビリティ~事業KPI~財務KPI~企業価値までの一連の流れをしっかり把握できてこそ、先ほどのサイクルが実現できます。