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越境者-振り子の思考のイノベーター

問いと答えのあいだを行き来し、「越境」する

takram design engineering 渡邉 康太郎 氏インタビュー:前編

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「変わり続けることをやめない」と結果的に越境につながる

――渡邉さんは「越境」というものを1つのキーワードとして捉えています。越境をどのようにお考えなのでしょうか。そこに至る過程やこだわりなどについて、お伺いさせてください。

 僕の考える越境性は「文化の波打ち際」と似ていて、好きな本や作家の存在が大きく影響しているかもしれません。例えばアラン・ライトマンは物理学者でありながら文学も教えていて、高村光太郎は詩人であり彫刻家、サン=テグジュペリは作家であると同時にパイロットでもあります。こうした人たちの本を学生時代によく読んでいました。あとから振り返ると、自分なりの表現の手段を複数もっている人ばかりです。

――どの方も、一言で定義しづらい方かもしれません。一般的に人は職業で定義されがちで、そこから逸脱するのは難しいですね。

 彫刻家は彫刻を作り、油絵画家は油絵を描く人、というように、ある種の職業はアウトプットの種類を規定しています。しかし、必ずしも全ての職種がそうではないはずです。デザインエンジニアもそれに近いものと捉えていて、必ず電子工作するわけでも必ず図面を引くわけでもありません。アウトプットはコンセプトやサービスでもいいし、プロダクトでもいい。唯一必要なのは「変わり続けることをやめない」というこだわりです。

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