人材像はコツコツ丁寧型から自律構想型へ
栗原:生成AI時代の「人」の問題についてもお伺いします。人間に求められる役割が変化するなかで、組織はどのように人材を評価・育成すれば良いのでしょうか。
小宮:生成AI時代には「人間ならではの価値をいかに出すか」が強烈に問われると思います。リサーチやデータの収集、フォーマットの調整といったコツコツ型の業務は生成AIで代替可能です。それを踏まえて、人間にしか担えない仕事は何なのかを見極めなければいけません。たとえば、先ほど紹介した日清食品グループでは、近年、目的に適した生成AIのアウトプットを見極める「識別力」や、AIを活用して何を実施させるのか、アウトプットを優れたものに磨き上げる「構想力」を生成AI時代に求められるスキルとして掲げています。今後は社内の人材観を転換し、評価や育成の方法を変える必要があると思います。