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企業の持続的成長を実現する「顧客資本経営」

顧客資本経営はAIで進化する──2030年に勝ち残る企業になるための“3つのステップ”

第2回

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 顧客の期待が変わる“前”に動ける企業が、次の競争軸を握る時代が到来しています。生成AIの普及により、経営層の投資先として「VoC(Voice of Customer:顧客の声)」への注目が急速に高まっており、その“うねり”は確実に加速しています。しかし、多くの企業では顧客データが部門ごとに分散し、真の顧客インサイトを経営判断に活かせていないのが現状です。今回は、顧客インサイトを経営判断に活かせていない理由を紐解き、「顧客資本経営」を生成AIで駆動させる方法を3つのステップで解説します。

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企業に眠る「顧客の声」をAIで活かすには

 生成AIの真価は、非構造データをチャネル横断で統合できる点にあります。この点を受け、経営層の間では「どの非構造データから最速で経営インパクトを出すか」が新たな議題となっています。

 マッキンゼー・アンド・カンパニーが2023年に発表したレポート「生成AIがもたらす潜在的な経済効果」では、生成AIを活用したユースケースの潜在価値の上位に「顧客対応」が置かれ、生成AIによるコスト改善インパクトを約4,040億ドル相当としています。「顧客サービス機能に生成AIを適用して生産性が向上することにより、現在の機能コストの30%~45%に相当する価値を創出できる(資料P12より)」とのことです。

 とはいえ、Seagate社とIDC社が実施した調査をまとめたレポート「Rethink Data」によると、68%の企業データは眠ったままの未活用というのが実情のようです。VoC(顧客の声)もその未活用データの1つであり、データ収集への投資が十分に活かされていない現実を経営者は認識しています。

 多くの企業がDXで成果を出せなかったことは明白で、データの「整備」から「活用」までの変革を促す「AIX(AI Transformation)」を起こすため、生成AIに直接投資をする段階に突入しています。

 会話ログには、顧客資本経営の基盤となる未採掘の顧客インサイトが眠っています。これを活用する企業は、プロダクト改善でも価格戦略でもリスク対応でも、翌日には適切な手が打てる経営速度を実現し始めています。では、そのVoCを本当に循環させるには、どこに死角が潜み、どの仕組みを再設計すればよいのでしょうか。

 今回は、次の3ステップでその道筋を紹介します。

  1. 顧客を捉えきれない経営の死角
  2. 2030年CSの未来からの逆算
  3. VoCフライホイール

次のページ
顧客を捉えきれない経営の“死角” 経営判断を鈍らせる2つのギャップとは

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この記事の著者

野村 修平(ノムラ シュウヘイ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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