クライス&カンパニーは、CXO・ハイクラス層の転職支援を行う中で蓄積した独自データに基づき、2025年上期の「CXO転職市場レポート」を公開した。
同レポートでは、CXO求人の件数・職種・求められる経験の傾向などを分析したほか、多様化するCXOポジションの実態を可視化。昨今の経営人材ニーズの変化と、キャリアのゴールではなく「選択肢」としてのCXOという新たな潮流を明らかにしている。

CEO/COOが着実に伸びる一方、CFOやCPOの増加が顕著
経営の中心となるCEO/COOは、前年比2割程度の増加を毎年着実に続けている。2020年と比較すると最も増加したのはCPOで、約10倍の求人数に。テクノロジーの進化やDXにより企業のサービスやプロダクト開発のニーズが高まる中、CPOという事業の成長や変革をリードするポジションが存在感を増しつつある状況がわかる。
CXO求人件数は、5年で2倍以上に増加
年収1,500万円以上のCXO求人数の伸び率は5年ほど前より大きくなり、特に2023年から2024年にかけては前年比20%増加。求人数の伸びに伴い、CXOポジションに求められる期待値も高まり、その解像度が上がっている様子がうかがえる。

2024年のポジション別傾向
2024年は、CFOポジションが最多の2割を占める結果となった。経営とファイナンスをリードする存在へのニーズは近年企業規模や業種に限らず高まっており、その影響が表れていると考えられる。さらにCEO/COOポジションとCFOを合わせると約4割となり、経営トップ層の求人数が多くを占めている。
続いて、CMOやCPOといった専門分野での経営リーダーが続いていることから、企業の成長ドライバーとなるポジションの採用を積極的に進める企業が多い傾向もうかがえる。

年収3,000万円以上の決定も増加中
2024年度のCXOの決定者を見ると、1,500万円~1,999万円が多くを占め、戦略設計と現場リードの両軸での活躍を求められる割合が多い。一方で、3,000万円以上も約18%にのぼることがわかり、高度な経営ミッションを任せたいという企業の希望が表れていると言える。

企業タイプは上場ベンチャーが4割でトップ
年収2,000万円以上の決定者が選んだ企業タイプを見ると、トップが上場ベンチャーで4割、次いでスタートアップで3割となった。CXOの存在が企業の成長戦略の一部と言えるフェーズの企業では、積極的にCXOポジションを受け入れていることがわかる。

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